今日は、Aさんに誘われて、三宮に映画「土を喰らう十二カ月」を見に行った。
「ねこ吉さん、『土を喰らう十二カ月』ジュリーが出てるんよ。料理は土井善晴だって!映画を見に行かない?」とAさんがLINEをして来た。
ねこ吉は、あまり興味が無かった。
何か、あのジュリーが老醜を晒してるようで、見たいような、見たくないような・・・。
お互いの都合のいい日を合わせると、本日になってしまった。
11時頃に映画館に行って、ねこ吉が先にチケットを買っておいた。
Aさんは、午前中は保育士の仕事をして12時半に待ち合わせ場所の神戸阪急の入り口にやって来た。
正家で、天ざる食べて映画館に向かう。
レディースディのせいか、お客さんが一杯。
コロナの感染者が増えているというのに、人は「withコロナ」ということで、映画も旅行も我慢せずに出かけだした気がする。
ねこ吉もその中の一人か・・・。
ねこ吉の場合は、まだ恐る恐るでそんなに覚悟が出来ているわけではないけど。
いつもなら、公式ホームページとかを見て、あらすじをチェックしてるんだけど、今回の映画は何の予習もしてこなかった。
ジュリーと松たか子の関係がよく判っていなかった。名前を呼び捨てにしているので親子かと思った。
年の離れた恋人だって!
松たか子は、小説家ツトムの編集者でもあり、亡き妻の後輩でもある。
ツトムは畑で野菜を作り、糠みそをかき回し、梅干しを漬け・・・。かまどでご飯を炊いてる。
ねこ吉はどれも出来ないけど。
突然やって来る松たか子に、旬の美味しい物を作って一緒に食べる。
たけのこォ~!ゴマ豆腐ゥ~!食べたいよォ!
叫びそうになったよ。
(このワンコが可愛い。ドッグフードではなく、ちゃんとご飯を作ってもらってる。)
この映画は水上勉のエッセイが原作らしい。
「一人で生まれてきて一人で死んでいく。」
どんなに元気でも、どんなに長生きしても人間は必ず死ぬ。
ツトムは夜寝る前に「死のう。」と思う。
でも、翌朝起きて戸を開ける。
やっぱり生きてた。
そして、いつも通り食事の支度を丁寧にする。
そう簡単には死ねないね。
いや、意外とあっけなく死ぬのかな・・・。
いつか来る死を考えると、判っていてもねこ吉は怖い。
とりあえず、ねこ吉は今日一日生きていた。
何もなければ、明日も生きているでしょう。
「だから、悔いのないように一生懸命暮らしましょう。」なんて言われると、
「何よ、いい子ぶってさ。どうせ、ねこ吉なんてボォ~と無駄な時間を過ごしてるんだから放っておいてよ!」とひねくれる。
帰りは大雨。バス停で待っている間、滝のように雨水が流れていく。
バスの中で、見てきた映画を反芻しながら忘れないようにスマホのメモに書き込んだ。
Aさん、誘ってくれて有難う。ねこ吉一人なら絶対に見に行かなかった映画です。
追記
結構混んでいた映画館。ねこ吉世代がとても多かった。
やっぱり、ジュリーィ~!と樹木希林のように叫んでた世代だもんね。
あんなに素敵だったジュリーも74歳だ。
太ったし、白髪のジジイだった。
顔などに変に手をくわえずなすがままなのが、むしろ潔いかもしれない。
しかし、エンドロールとともに聞こえてきた歌声は、往年のジュリーの声だった。
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