前回は「傘がない!」というお恥ずかしい日記を書いてしまいましたが、
えー、「傘がない」といえば、ほら、あの、えっと・・
そうそう、
井上陽水
ですね。(時間かかりすぎ…)
若い頃、井上陽水のファンでした。
いいよねえ、彼の歌。
知らない人はいないと思うけど、もしかするといるかもしれないので、
念のため、井上陽水の「傘がない」の歌詞を出だしだけ書いておきますね。
傘がない
都会では自殺する若者が増えている
今朝来た新聞の片隅に書いていた
だけども問題は今日の雨 傘がない
行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ
君の町に行かなくちゃ 雨にぬれ
つめたい雨が今日は心に浸みる
君の事以外は考えられなくなる
それはいい事だろう?
・
・
最後にリフレインで
「行かなくちゃ 君に逢いに行かなくちゃ 雨にぬれて行かなくちゃ 傘がない・・」
グッとくるでしょ。メロディーがつくともっとグッとくるんだけど。
この歌を私の目の前で歌ってくれた奴がいましてねえ、
はるか昔のことですが。
ああ、遠い日の青春よ・・・てな感じか。
井上陽水の歌にはこんなのもあります。
夢の中へ
探しものは何ですか?
見つけにくいものですか?
カバンの中もつくえの中も
探したけれど見つからないのに
まだまだ探す気ですか?
それより僕と踊りませんか?
夢の中へ 夢の中へ
言ってみたいと思いませんか?
(中略)
探すのをやめた時
見つかる事もよくある話で
踊りましょう 夢の中へ
行ってみたいと思いませんか?
・
・
私の傘も探すのをやめた時、見つかるかしら?
パン屋さんで見つけた最初の日傘みたいに・・
ともあれ歌詞だけじゃわからん、という人はぜひ、YOUTUBEなどで聞いてみてくださいまし。
ところで、最近、井上陽水の歌詞を英訳した人がいましてん。
ロバート・キャンベルさんですね。
キャンベルさんは入院中に井上陽水の歌を聞いていたそうです。
そして、毎日一曲ずつ英語に翻訳していったといいます。
《井上陽水の歌詞に通底しているのは、ある「幸せ」や「価値観」に対して、ちょっと待ってよ、という哲学的な問いがあるんです。人がどう生きるのかという思索的な問いがある。》
とキャンベルさんは言います。
主語が省略され、時制も曖昧な日本語を、主語と時制がきっちりしている英語に翻訳するのは至難の技だと思います。
たとえば歌詞の中にある「探し物」という言葉は英語にはない。「落とし物」ならあるけど。すごく大事な物を落としたので見つけないといけない。でも、「探し物」は「今」まさに探そうとしていて、まだ見つけていないもの、というわけで、
「What is it you're looking for?」
と訳したそうです。
探し物の中には人が生きるとは何か、何のために生きるのかという哲学的な問いがある、というのですね。
こうしたことがキャンベルさんの本(冒頭の写真)
「井上陽水英訳詞集」ロバート・キャンベル著 講談社(2019年刊 ¥2916)
にはいっぱい詰まっているそうで、これはぜひ読んでみたいと思うのですが、高いのよねえ、これが。
興味のある方はぜひ図書館でご覧になるといいのではないかと思います。
井上陽水もぜひ聞いてみてね。今も大ファンですねん。
果たして私の傘は見つかるかしらん。
それとも夢の中で踊ろうかしらん・・
引用は以下のサイトから。
https://www.huffingtonpost.jp/entry/inoue-yosui-eiyaku_jp_5d09c8b7e4b06ad4d2583a7a