先日来、もしかして私は隠れADHDあるいは隠れアスペルガーではないか、
という懸念について書いてきました。
そこで、アメリカ人の友人に尋ねてみました。
「私、アスペルガーだと思う?」
すると彼は即座に「うん、そうだと思うよ」というじゃないですか。
「なんでそう思うの?」と聞くと、
「普通の日本人と発想が違うし、日本人のコミュニティの中でうまくやっていけないみたいだし」
と直球の答えが・・。
たしかに・・
確かめるべく、吉濱ツトム氏の本
「隠れアスペルガーという才能」(吉濱ツトム著 KKベストセラーズ 2016年)
を読み、その中にあった「アスペルガー診断テスト」なるものを試してみました。
その結果、
私はまぎれもない「隠れアスペルガー」であることが判明した!
薄々感じてはいたのだけどね、ちょっとショックだった。
でも、これまでわからなかった様々なことが実に図と地の反転のように理解できたのはよかった。
なるほどねえ、だからこんなに生き辛かったのか、度々誤解されてきたのか、孤立しがちだったのか・・
そして、外国人である彼はダイレクトに指摘してくれるけど、日本人は決してそういう指摘はしない、ということもようやくわかった。
吉濱氏によると、隠れアスペルガーは日本人の40人に一人、あるいは20人に一人という高確率で存在するそうです。ちなみにアメリカ人の場合は10人に一人、あるいは5人に一人がアスペルガーあるいは隠れアスペルガーではないか、と吉濱氏は言います。
つまりアメリカ人の友人はアスペルガーなんて全然珍しくないので、直球で答えてくれたのでしょう。
(彼自身も隠れアスペルガーのようです)
血液型と一緒くらいの感じかな。
よくあるタイプで決してレアな珍種ではない。
あの人はああいう性格だから、と片付けられる程度の偏り。
でもねえ、70年以上自分はノーマルだと思って生きてきたのですよ。
今更隠れアスペルガーだと言われてもねえ・・
それでも、診断名(あるいは血液型のような分類名)が判明したことは生きていく上での指針にもなるわけで、私にとってはわからない宙づりの状態よりはずっといい。
わからないことほど居心地の悪いことはないからです。
子どもの頃母によく言われました。
「なんであんたはいつもそうやって根掘り葉掘り知りたがるの?」
いやあ、これこそが隠れアスペルガーたる所以だったのですねえ。
アスペルガーというのはご存じの通り「広範性発達障害」の一種で、広い意味での自閉症の仲間とされています。アスペルガーの他にADHDを併発する人もいて(たぶん私もそう)、これらはすべて脳内の器質的障害によるものでほとんどが遺伝性のものだそうです。
(隠れアスペルガーの場合は真性アスペルガーより症状は軽い)
つまり、私がアスペならば私の両親のどちらか(あるいは両方)がアスペだった可能性が高い。また私の子どもたちもアスペの可能性がある、ということ。
吉濱氏自身もかなり重度のアスペルガーだったのですが、克服して今は発達障害の人たちのカウンセリングなどをしています。
アスペルガーやADHDなどの発達障害人には時に困ったことが起きる(起こす)けれど、決して怖い病気のようなものではない。それどころか、普通の人(定型発達と吉濱氏はいう)にはない優れた点がたくさんあるそうです。
この本の中で吉濱氏は、アスペルガーの特徴を二つに分けてこう描写しています。
①アスペルガーの人間的魅力
素直である・純粋である・人を信じやすい・優しい・「人を守りたい」という気持ちが強い・使命感が強い・真面目である・聴き上手である・責任感が強い・礼儀正しい・空気を読むのが異常に得意(KYの裏返し)・美男美女が多い・正義感が強い・度を越えたきれい好きである
②アスペルガーの知られざる能力
学習能力が高い・IQが高い・知識欲が旺盛である・視覚情報を瞬時に記憶できる・コピーするのが得意・ルール化が得意・論理的に体系化することが得意・数学に強い・一つのことを延々と続けられる・すさまじい意志力がある・「一極集中」が得意・時間を正確に守る・ワーカホリックになれる・問題解決能力がある・観察力に優れている・合理的思考が得意・「異質のフレーム」を構築できる・人に教えるのが上手・直観力がある
とまあ、並べてみると利点ばかりじゃないですか。もちろん、いろんなタイプのアスペルガーがいるので全部が全部あてはまるわけじゃないけどね。
美男美女が多い・・って、私は・・?
ちなみに、歳の割に子どもっぽい、というのもあって、私はまさにそう。
というようなわけで、たとえアスペルガーだとしても何も恐れることはないようです。
ちなみにこの本では、アスペルガーの困った症状の改善方法などについても詳しく解説しています。
一方、精神科医・樺沢紫苑の樺チャンネルによると、アスペルガー症候群というものはないそうです。アメリカで採用していたDSM-Ⅳの診断基準は終了し(なぜならアスペルガーが大量発生してしまったので)、現在はASD(自閉症スペクトラム)の一つになった。そもそも自分はアスペルガーじゃないか、と言う人の大半はアスペルガーじゃない、と樺沢氏は言い切ります。
精神科では、社会生活に支障をきたすかどうかが診断基準なので、当然といえば当然ですが(つまり本人が困っていない限り精神疾患とは認めない)、
精神疾患あるいは障害というのはそんな軽いものじゃないよ、と樺沢氏は言いたいようです。
つまり、真性アスペルガーはともかく、隠れアスペルガーというのは、せいぜい血液型の違い程度だと自他共に捉えていればいいようです。
まあ、本人はけっこう悩んでいたりするのだけどね。
もし興味があれば読んでみてくださいまし。
世の中にけっこういるちょっと変な人の実態がわかるかも。
あなたの隣にもアスペはきっといると思うので。