アマプラで見た映画
「眠りの地」(マギー・ベッツ監督 2023年)
が面白かったので紹介します。
これも実話に基づく映画で、主演はトミー・リー・ジョーンズとジェイミー・フォックス。
トミー・リー・ジョーンズは缶コーヒーボスのCMで有名ですね。私はボスのCMが好きで、YouTubeで時々見ます。笑えて泣けます。
彼の「メン・イン・ブラック」も好きだなあ。「逃亡者」の刑事役もやってますね。トミー・リー・ジョーンズは大の日本贔屓だそうです。
もう一人の主演はジェイミー・フォックスです。
「スパイダー・マン」他多くの映画に出演しており、「RAY/レイ」や「路上のソリスト」では主演をしています。
この二人がすごくいい味だしてる。
ストーリ―は、アメリカ南部のミシシッピ州で葬儀社を営むジェレマイア・オキーフ(トミー・リー・ジョーンズ)が経営危機に陥り、債務不履行で会社を手放さなくてはいけない羽目になり、大手の葬儀会社に彼のもっている葬儀社の一部を売る話を持ちかけるのですが、
この大手葬儀社が悪い奴で、彼をだましてアメリカ南部の葬儀場のテリトリーを奪おうと画策している連中なのでした。
そこで、彼は口達者でやり手の弁護士ウィリー・E・ゲイリー(ジェイミー・フォックス)に依頼します。
映画の大半は裁判の様子を描く訴訟劇です。
訴訟劇というのは、大抵一転二転して、最初の思惑と違ったり、意外な証人や証拠が現れたりして、最後にどんでん返し、というのがセオリーですね。
ここでも、大体そういう風に進んではいきますが、見どころは、二人の主人公のやりとりや、周囲の人たちの反応、陪審員たちの表情等々です。
アメリカ南部の黒人差別がまだ色濃く残っている様子を、実に見事に表現して見せてくれます。
差別される側はたまったものではない。蔑ろにされ、それどころか生活まで奪われてきた長い歴史があることがよくわかる。
今起きている中東での争いにも、根深いものがあると想像できます。
人間と言うやつは、人と争ったり見下したり人から奪ったりせずにはいられない生き物なのでしょうか。
紆余曲折はあるものの、彼は勝訴し、権利もお金も取り戻します。
最後に法廷で、黒人たちから葬儀費用として莫大なお金を搾取し、私腹を肥やしてきた財閥の社長に、ジェイミー・フォックス演じる弁護士が「恥ずかしいと思ったことはないのか」と尋ね、
社長が「ない」ときっぱり答えるシーンは印象的でした。
彼にとっては、黒人社会は搾取する相手であって、リスペクトしたり同情したりする必要は全くない、と考えている様子がよくわかります。
けれども、結局、彼はこの裁判で負けて、会社は数年後に倒産した、とエンドロールに出てきます。
そして、この勝訴により、ウィリー・E・ゲイリー弁護士は全米で有名になったということです。