この写真は去年の桜ですが、
今年もまた桜の季節がやってきて、今週から来週にかけてはお花見が目白押しです。
昨日、第一回目のお花見をしました。
場所は小金井公園。夜桜見物です。
かつて(約30年前ですが)小金井公園のすぐそばに住んでいたことがあり、毎日子どもたちを公園に連れていったものでした。
だから、小金井公園はとてもなつかしい。
去年、約30年ぶりに小金井公園を訪ねました。
緑が一段と濃くなっていました。
特に昔子どもたちと遊んだ「いこいの広場」の周辺は、まるで鬱蒼とした深い森のようになっていて、30年という時間は植物をかくも繁茂させるのかと驚きました。
私にとっては、30年が一気に過ぎ去ったようで、それは不思議な体験でした。
その小金井公園に、昨夜、友人たちとお花見に行ったのです。
郷土館前の広場の周辺には桜の木がたくさんあって、お花見の名所ですが、さすがに夜は人も少ない。
とはいえ、私たちがお弁当を広げ、ビールなど飲んでおしゃべりしている間にも、ちらほらと人影が行きかい、気がつくと、いくつかのグループが私たちのように芝生にシートを広げてお花見をしているではありませんか。
昼間のお花見とは違い、皆とても静かに夜の桜をめでています。
ライトアップされているわけではなく、ほの暗い街灯の明かりだけなのですが、その中から白く浮きあがる桜は不思議な妖艶さをたたえていました。
夜桜もいいねえ。第一人が少ないのがいいね。
などといいつつ、私たちはおしゃべりに花を咲かせました。
夕べはそれほど寒くもなく、しかも風もなく、穏やかな春の夜で、
ゆっくりと桜をめで、静かな気持ちで、皆としばしの時間を共有しました。
考えてみれば、私も友人たちも、すでに70歳に手が届く年になりました。
それぞれに人生を歩んできて、今ここに平穏無事でいることのありがたさをしみじみと思いました。
7年前に亡くなった私の父が最後に見た桜は、病室の窓の外にあった一本の桜でした。
その満開の桜を父はあかず眺めていましたが、
「これが最後の桜になるかもしれないなあ・・」とぽつりと言ったのでした。
そして、本当にそれが父にとっての最後の桜になったのでした。
でも、あの病室の窓から見た満開の桜はとても見事で、春になるたびに思い出します。
さて、
明日はまた別口のお花見があります。
来週にかけて、友人たちと、公園で、街で、お花見を楽しみたいと思います。
お花見が終われば、新緑の季節。
山が美しくなる季節です。
こんな風に季節毎に楽しみがあるなんて、
日本人はなんて贅沢なんだろう。