とはいえ、一般的な常識では、世界線が変わるなどというのはSFかオカルトの世界のことで、
まずはそんな変なことを言い出した人の頭を疑ってみるのが普通でしょう。
でも、実は、マンデラエフェクトのような都市伝説はいろいろあって、私は好奇心から時々チェックしているのですが、本当に玉石混交で何が真実か見分けるのは難しい。
たとえば、南極の地下には宇宙人の基地がある、月面にも宇宙人の基地があって宇宙飛行士たちは宇宙人と遭遇している、アメリカとイスラエルは宇宙人と協定を結んでいる、とか。
映画「メン・イン・ブラック」は実話で、本当に宇宙人対策をしている極秘任務のエージェントたちが存在する・・とか。
こうした三面記事風の都市伝説は面白半分に人々に伝播され、世界の裏側で秘かに増殖していたりします。
そもそも、この世界を認識しているのが私たちの五感と意識である以上、かなり限界があって、犬や猫に聞こえている音ですら、私たちには聞こえない。身近にいる犬や猫たちと私たちとでは、世界の認識はかなり違うわけです。
一方、世界は外側にあるのではなく、私たちの内側にある、つまり世界を創り出しているのは私たち自身なのだという説もあります。
世界は私たち自身を映す鏡なのだと。
そう考えると、世界線が移動した(パラレルワールドに移行した)というのは、私たち自身が別の私たちに移行した、ということで、世界が変わったのではなく、私たちの内側が変化した、ということなのでしょう。
でも、それが一定の集団の中で起きているとすると、ちょっと不思議だよね。
で、もしかするとそれらは為政者(あるいは世界転覆を企む何者か)による陰謀である、という説も登場します。人々が混乱するように、ネットにそうした偽情報を紛れ込ませているのだと。
こっちの方が説得力あるよね。
でも、一体何のためにそんなややこしいことをするのか?
陰謀論の世界は深い闇と霧に隠されていて、一般庶民の私たちが立ち入るのは危険な場所のようです。
でも、闇があるから光がある、ともいえるわけで。
結局何を選ぶかは私たち自身の選択、
世界線が変わろうが変わらなかろうが、今ここに私がいる、ということさえ確かなら、まあ大丈夫かな、という気はします。それが不確かになったら、ヤバいけど。
でも、世界は私たちが思うほど安定した堅固なものではない、という気はしています。
以前ここでも取り上げた、ジル・ボルト・テイラーの「奇跡の脳」の中の1シーンが強烈で今も忘れられません(2022年5月20日の記事参照)。
彼女が脳梗塞を起こした直後、浴室の壁に手をつくのですが、どこからが自分の手でどこからが壁なのかわからなくなる、というシーンです。
左脳がダメージを受け、右脳で物事を認識しはじめたとき、世界は一変します。
まるでニルヴァーナにいるようだと彼女は表現していますが、まさに世界は自分の手も浴室の壁も混然一体となった場所で、しかも至福に満ちている・・
肝心なのは、私たちがこの感覚(至福)をすっかり忘れて、自分の手と浴室の壁は別物であるという世界に囚われてしまっていることなのではないか、
人間はもっと自由で大きくて、世界はもっと融通無碍な場所なのではないか・・
マンデラエフェクトという奇妙な現象について考えていくと、結局のところそんな場所に行き着くような気がします。
あなたはどう思いますか?
(猫のいない世界もあるのかにゃ?)