新型コロナウィルスが猛威をふるっているようです。
いたずらに怖がる必要はない、感染力もインフルエンザやはしかに比べると弱いし、
なんて言われてますが、ほんまかいな、とも思います。
対策も後手後手みたいだし。
そこで、古い映画ですが、
「アウトブレイク」(ウォルフガング・ペーターゼン監督 1995年)
を改めて見てみました。
これ見たのずいぶん昔のこと。それもそのはず1995年の映画です。
でもね、全然古くない。
ダスティン・ホフマンやケヴィン・スペイシーがずいぶん若いけど。
そして、
最初から最後まで目が離せない展開の速さ。エンターテイメントとしても実によくできています。
ただのパニック映画ではない。
今でも十分通じるいろんな要素がぎっしり詰まっています。
1967年、アフリカの村で謎の感染病が蔓延し人がバタバタ死ぬ。
米陸軍はその村に爆弾を落として村を壊滅させ、ウィルスを封じ込めて、
「モターバウィルス」と名付けたそのウィルスを、
細菌兵器として使用するべく、米軍の重要機密にする。
時は移って現代。
アフリカの野生の希少種の猿を捕まえてアメリカ に密輸入しようとした男が、未知のウィルスに侵されて死にます。
男の周囲の人たちもバタバタと死んでいくけど、何が感染源なのか、どういうウィルスなのかわからない。
しかも、このウィルス感染力が強く、接触感染はもちろん空気感染もする。
感染後24時間でほぼ100%が死に至るという超強力なウィルスです。
野生動物からの感染らしいけど、その感染源の特定が難しい。
米国陸軍伝染病医学研究所の医師である、サム(ダスティン・ホフマン)は感染源の特定を急ぎますが、
そこに軍の横やりが入る。
陸軍幹部マクリントック少将(ドナルド・サザーランド)は感染者の出た村に爆弾を投下して村民を一掃し感染を止めようとします。
1967年にアフリカの村に爆弾を落としたのも彼でした。
サムは陸軍の秘密をかぎつけ、軍は彼を逮捕しようとする。
そして、ついに、サムの元妻も感染してしまう。
果たしてサムは感染源を特定することができるのか、そこから血清はできるのか、
そして、サムの元妻は助かるのか……
というわけで、
未知のウィルスの蔓延には必ず人が介在し、しかも少数の人間の無責任な、無知による、
あるいは(これが一番恐ろしいけど)、
権力を握る人間の傲慢なふるまいが、世界的なパンデミックを起こす原因となりうるし、もしかすると人類絶滅の危機すら迎えるかもしれない、
という警告が込められているのですね、この映画には。
でも、もっと怖かったのは、
映画を見終えてTVをつけたら、そこに映っていたのは映画さながらの世界だったこと。
ついに私たちはパンデミックの世界に突入したのか、という錯覚を覚えました。
あるいは、もしかすると、私たちの置かれているリアルな世界はもっと恐ろしいかもしれない。
決して対岸の火事ではないし、他人事でもない、まさに明日は我が身です。
心してかからねば。
とはいえ、さすがハリウッド。
例によって「愛してる」「愛してるわ」の夫婦愛。
そして、最後は大団円の締めくくり。
さて、
私たちの世界も大団円で終わるといいのだけど、
まだまだパンデミックはこれから、という状況のようです。
ああ、今のうちに美味しい物でも食べておこうっと。
(人間多すぎるにゃ)