10年前に、山陰の旅に出かけた。
山陰地方のローカル鉄道に乗るといふのが、その旅行の主たる目的であつたが、街歩きや温泉入浴もした。
山陰の観光名所といへば、出雲大社である。縁結びの神様・大国主命が祀られてゐることで知られる。
当時恋人のゐなかつた私も当然参拝した。しかし、御利益はなかつた(未だに)。
写真は出雲大社参道で撮影。
(1997年8月、出雲市大社町杵築東、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)
備後落合といふ駅がある。JR西日本の芸備線と木次線の乗り換へ駅であるが、無人駅である。
1日にこの駅にやつてくる列車は芸備線10本、木次線3本である。1日の平均乗降客数は96人であるといふ。
牛山隆信「もっと秘境駅へ行こう!」(小学館文庫:2003年)によると、牛山氏がこの駅を訪れた2000年3月の黄昏時の駅前の様子は、人家の多くは廃屋になつてをり、灯りの点いた家はわづかであつたといふ。
私がこの駅を訪れたのは10年前の夏のことである。廃屋はあるにはあつたが、さう多くはなかつたと記憶してゐる。
写真の犬および飼ひ主さんはもう住んでゐないのだらうか…。
(1997年8月、庄原市西城町八鳥、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)
日蓮宗の開祖日蓮の終焉の地に建てられた寺が池上本門寺である。
この寺には、プロレスラー力道山の墓がある。
写真はこの寺の山門附近で撮影。
(2006年5月、大田区池上、ニコンNewFM2,タムロン70~210㎜F4~5.6)
前回述べた久我山の猫アパートがあつた場所の近くに公園がある。
その公園でも猫によく出会つた。
猫アパートの猫は人なつこくはなかつたが、公園の猫は人馴れしてゐた。
(1999年頃、杉並区久我山、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)
かつて杉並区久我山の神田川沿ひに猫アパートがあつた。
そのアパートの前でよく猫を見かけたため、私がさう呼んでゐた。地元の人は何て呼んでたかは知らない。
そのアパートは人が住んでゐる気配がしなかつた(老朽化のため建て替へを待つてゐたやうだ)。その敷地内に野良猫が住みついた。
そのアパートが取り壊されると、猫たちは姿を消した。私もその周辺を歩くことがなくなつた。
写真はそのアパート前にゐた猫。
(1999年頃、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)
風景を肴に酒が飲めるといふ知人がゐる。
その知人いはく、山陰線飯井駅から海岸を望む光景が最高だといふ。
私の場合は風景ではなく音楽である。
自宅で飲酒するときは何かしら音楽をかけてゐる。
よく聴くのは、昭和歌謡である。洋楽ならタンゴ、シャンソンといつたところか。変はつたところでは、ロシヤや韓国の歌謡曲も好きだ。かうしてみると節操がないやうな気もするが…。
写真は“音楽的道化師”みぎわさん。
パントマイム・アコーデオン演奏・声楽・風船芸等を織りまぜたパフオーマンスをする芸人さんであるが、アコ演奏一本のスタイルで大道芸をするときもある。
初めてみぎわさんのアコーデオン演奏を聴いたとき、これは酒を飲みながらじつくり聴くのがいいだらうなと思つた。さう思つたのは私だけだらうか。
その日以降、酒を持参してみぎわさんの演奏を聴きに足を運ぶことが多くなつた。
私にとつて、みぎわさんの奏でるアコーデオンは最高の酒の肴である。
(2007年6月、台東区上野公園・東京都美術館前、ニコンNewFM2,タムロン70~210㎜F4~5.6)
電車内でのこと。
私の正面の座席に座つてゐた子供が騒ぎはじめた。隣には母親らしき女性がゐたが、注意せずに放置してゐた。
子供は騒ぎつづける。親子連れの周辺にに座つてゐる人は不快さうな顔をしてゐた。私も不快だつた。
やがて子供は騒ぎながら母親を呼ぶ。私は母親が子供を黙らせることを期待したが、その期待は裏切られ、さらに唖然とさせられた。
母親が子供と一緒になつて騒ぎはじめたのである。
公共の場で他人に迷惑をかけてはいけないと教育しなければならない保護者がこの有様。不快かつ唖然。
上記の親子は不快だつたが、写真の親子は見てゐて微笑ましい。
(2004年7月、加賀市作見町・加賀寺、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)
最近、大道芸人の写真を撮ることが多くなつた。大道芸見物が面白いからである。
全国に大道芸人がどれくらいゐるのかは知らないが、東京都生活文化局が指定する場所で大道芸をすることを許可してゐる芸人は283組(2006年10月現在)であるといふ。
私はそのなかの40組程度しか観てゐない。そのなかでパントマイムをする芸人さんを繰り返し観てしまふ傾向がある。
何が面白いのかと聞かれても、私の貧弱な話術・文章力では説明できない。実際観てもらふほかない。感じ方には個人差があるが。
写真はパントマイム芸人のチカパンさん。
パントマイム芸人の中には難解なマイムをする芸人さんもゐるが、チカパンさんのパントマイムは子供から大人まで楽しめ、わかりやすい。
パントマイムを初めて観るといふ人にお薦めの芸人さんである。
(2007年4月、港区東新橋・汐留シテイセンター、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)
このタイトルを見て、デイツク・ミネ&星玲子が唄ふ「二人は若い」(玉川映二作詞、古賀政男作編曲:1935年)を思ひおこした人もゐるだらう。
「あなたと呼べばあなたと答へる」で始まる歌である。
猫の真似をしてニヤーと呼べば、ニヤーと答へる猫がゐる。
かういふ猫は人なつこく、近づいて体をこすりつけてくる。
猫に向かつて「ニヤー」と声をかける人間は猫好きであるといふことがわかるのであらう。
写真の猫は、ニヤーと呼べばニヤーと答へたが、警戒心が強く近づいてこなかつた(こちらが近づかうとすると逃げた)。
(2003年11月、広島県山県郡加計町穴、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)
犬を散歩させてゐる人はよく見かけるが、家の玄関先・庭先に犬小屋および繋がれてゐる犬を見かけることは少なくなつたやうな気がする。さう思ふのは私だけであらうか…。
チワワのやうな小さい犬を抱いて歩いてゐる人を見かける。犬が散歩せずに飼ひ主を散歩させてゐる。
写真の犬は放し飼ひ若しくは野良。カメラを向けるとしつぽを振つて近づいてきた。
(1993年3月、茨城県那珂郡那珂町菅谷・JR水郡線上菅谷駅、リコーXR500,XRリケノン50㎜F2)
猫が眠つてゐる姿を見ると、心が和む。
仰向け、横たはり等いろいろな寝姿があるが、丸くなつて寝てゐる姿を連想する人が多いのではなからうか。
写真は大宮八幡宮近くにて撮影。
猫を見ると「ニヤー」と声をかけてしまふ猫好きも、このやうな姿を見たら、ただ黙つて見てゐるほかはあるまい。
(1998年、リコーXR500,XRリケノン50㎜F2)
この階段はつい最近まで存在したが、とり壊されてしまつた。
(1991年、文京区本郷、ハニメックス35HL)
このやうな風変はりな物件に出会ふのも街歩きの楽しみである。
(参考文献)
赤瀬川原平「趙芸術トマソン」(ちくま文庫:1987)
赤瀬川原平「トマソン大図鑑・無の巻」(ちくま文庫:1996)
かつては顔と名前が一致したタレントさんがテレビに出てゐるのを見ても、名前が思ひ出せないことがある(これはなかなか思ひ出せない)。
かつて歌詞を見ないでも唄へた歌が、今や歌詞を見ずしては唄へない。
「中年」になり、脳の老化を感じてしまふ。
この写真は、いつ・どこで撮影したのか全く思ひ出せない。アルバムに貼つてある位置から推測すると1999年の夏頃のやうだが…。
70年代アイドル木之内みどり(現竹中直人夫人)のベスト盤CDを聴きながら、このブログを作成してゐる。
掲載する写真をどうするか考えてゐるときに、「横浜いれぶん」(東海林良作詞、大野克夫作曲、船山基紀編曲:1978年)が流れてゐた。
といふことで、横浜で撮影した写真を載せることにした。
(2007年7月、中区・港の見える丘公園、ニコンNewFM2,タムロン28~70㎜F3.5~4.5)