テツの部屋B

アメリカ留学中の見聞録→日本国内の山登り記録+日常の覚え書

Hawai'i出張(3日目)

2010-12-18 | 研究
Pacifichem 2010(環太平洋化学会)に参加した。基本的にはchemistryの学会なのだが、少しだけbiologyに関係したsessionがある。テツが参加したのは、”Biomolecular Structure and Dynamics: Recent Advances in NMR”というsessionである。うわさによると、Pacifichemは5年に1回の有機化学者のお祭り的学会で、真面目に参加する人は少ないらしい。とあるSessionでは、Speaker, Chair, Next speakerの3人しかいなかったとか(注:真偽不明!)。しかし、テツが参加したSessionは極めてseriousで、常時40人程度は聴衆がいた。それだけ質の高いInvited speakerが揃っていた。

さて、午前(7時30分から11時30分)のSessionのtitleはProtein Complexes and Signaling。Andrew Byrdのtalkが特にimpressiveだった。とにかくありとあらゆる構造制限情報を集めて、タンパク質の高次集合体の構造を決めてやろうという試み。最近よく聞く話題だが、Andy(とみんなに呼ばれていた)は話がうまい。Wagnerは、methodologyの話で、膜タンパクの話はなかった。

昼は、元ボスのS田先生と近くのFood Courtに行って密談。

午後(12時30分から16時30分)のSession titleはProtein Dynamics, Folded and Unfolded States。恥ずかしながら、Jane Dysonの話を初めてまともに聞いて、非常に面白かった。さすが、Protein Foldingの第一人者だけある。Molten Globule状態は、自分の研究対象にも関係しているので、彼女の論文はしっかり読んでおかなければなるまい。午後のSessionの最後に中国の研究者が2人連続して出てきた。二人とも、特別新しいことを発表したわけではないが、この10~20年の間にestablishされたmodern NMRのテクニックを使って、丁寧にタンパク質の構造決定を行っていた。中国のscienceがすごいスピードで進化していることを窺わせる内容だった。ちなみに最後に発表した若い女性ポスドクは、ほとんどnativeかと思わせるような、流暢な英語を話し、発表の内容も質疑応答も、素晴らしい出来だった。

Session終了後、S田先生、テツ同様S研出身のI君とお茶を飲み、引き続き夜のReception兼poster sessionに参加した。ここでI倉先生をつかまえて、I倉研が解析しているタンパク質の一つと、テツの研究対象が相互作用している可能性について語らせて頂いた(日本語で)。I倉先生は、真剣に話を聞いて下さり、大変面白いと言って下さった。日本語なら、ここまでできるんだが・・・。

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