浅野長晟による和歌山城と広島城にまつわる歴史に続き、今回は空海(弘法大師)と宮島の関係を紹介したい。
広島の観光地として有名な「宮島」は、和歌山市の加太・友ヶ島、新和歌浦・雑賀崎と同じ、瀬戸内海国立公園に指定されている。
宮島といえば、世界文化遺産として登録されている厳島神社が有名。
同神社を裾野に持ち、宮島の中央にそびえる弥山(みせん)は、古くから信仰の山で参拝者が絶えない。
弥山の山麓に大聖院(だいしょういん)という真言宗御室派大本山の寺院がある。
伝承によると、806年(大同元年)空海が宮島に渡り、弥山の上で100日間の修行した際に開基したという。
霊火堂にある「きえずの火」は、空海が修行を行って以来、1200年間消えることなく燃え続けており、平和記念公園の「ともしびの火」の元火のひとつとなっている。
和歌山県が誇る世界文化遺産・高野山の金剛峯寺を開基した空海は、広島の地でも皆に信仰されると共に、平和のともしびとして戦没者を慰めている。
(次田尚弘/広島)