広島市の中心部にある商店街「本通」の中程に、地域の情報を観光客と住民の両方に発信する施設がある。
名前は「市町村情報センター、ひろしま夢ぷらざ」。広島県市町村振興協会が設置し、広島県商工会連合会が運営管理している。
施設は特産品の販売や、各市町村の観光パンフレットの配布、案内コーナーが設置されるなど、一般的なアンテナショップと変わりはない。しかし、県外ではなく県内にアンテナショップを設けることで、観光案内所や土産店としての役割にとどまらず、住民に対しても地域の情報や魅力が効果的に発信されている。
例えば、住民約2千人の声を集めて作られたという折りたたみ式の地図「地元自慢ぐるぐるNavi Map」を配布し、地図で紹介されている観光スポットやレジャー施設の詳細を、常設のパンフレットや案内スタッフから、すぐさま入手できる仕組みは、地域の理解や活性化に有効だと思う。また、日替わりで、各市町村の特産品の直売やイベントが開催されるなど、日々変化する催しを楽しみに訪れるリピーターも多いという。
私たちは、和歌山県内の各市町村をどれだけ知っているだろうか。まもなく冬の到来。
よそ者の視点で観光案内所を訪れてみると、「冬の和歌山」の魅力に気づくことができるかもしれない。
(次田尚弘/広島)