「岡山県は晴れの国」という言葉を聞かれたことがあると思う。岡山県統計調査課の調べによると、気象庁が公表する年間の降水量1㎜未満の日数の平年値(統計期間1981年~2010年)より、岡山県が47都道府県の県庁所在地で最も晴れの日が多いと裏付けられたという。
和歌山県だって晴れの日が多いのでは。そう、同調べによると和歌山県は第5位に入っている。全国平均は247.8日。1位の岡山県は276.8日、次いで2位が山梨県、3位が兵庫県、4位が広島県、そして5位が和歌山県で269日だ。
トップ5のうち4県は瀬戸内海に面した穏やかな気候で、災害に見舞われることが少ないという印象だが、防災の観点から見ると心配な点がある。先日、私は日本防災士機構の防災士養成講座を受講したが、講義の中で、日頃穏やかな地域ほど災害について「自分だけは大丈夫だ」と過信しがちであるという。
確かに岡山県や広島県では近年、南海地震の被害想定を高く見積もれば、中心市街地にも津波が押し寄せるかもしれないと警鐘が鳴らされているが、今まで津波被害は無いと考えられてきた街にとっては寝耳に水の話。早期の対策を求められ、何度も協議されているという。
和歌山県はかつてから津波や台風(暴風)への備えや意識が高いと思うが、昨年の台風12号のような紀伊半島の土砂災害を、私たちはどこまで想定できていただろうか。災害からまもなく1年。自分の街で考えられる災害は何か、対策として何ができるかを考え、「自分だけは大丈夫」という意識を改めたい。
(次田尚弘/広島)