12日(土)に開催された、プレ和歌山DCキャンペーン「熊野に三度」イベント第一弾を前回に続き紹介したい。
前回紹介した、筝曲家・西陽子さんによるコンサート後、同日午後7時より新宮市職業訓練センターで竹中平蔵氏による講演会を開催。市民など約200名が集まった。
竹中氏は、「世界遺産」は歴史が浅いアメリカによる提唱が起源で、日本は世界で125番目に参加したことを紹介。
併せて、日本で歴史の道について調査が始まったのが1978年、史跡登録は1987年からと遅く、日本は歴史的遺産があまりに身近すぎ、その価値に目を向けてこなかった。
その中で、世界的にも珍しい「道」がいち早く世界遺産登録されている熊野は和歌山が世界に誇る遺産であることを再認識すべきと話した。
また、観光産業は世界最大であることを紹介。
日本で観光に従事する人の割合が6~7%であるのに比べ、アメリカは12%、ヨーロッパ各国も10%を超える。
日本政府が文化観光立国の方針を掲げたのが2002年で、日本において観光が重視されはじめてから日が浅く、発展の余地がある。
2020年のオリンピックは世界の7割の人が見る最大のコンテンツであり日本に注目が集まる。観光産業の発展にも有効なはず。
さらに、熊野の魅力は「何かわからないけど凄い」というものを感じること、南方熊楠の生涯のように自由でありながら自分の強い意志を貫く荒々しいものの中にあることではないかと持論を展開。
アクセスが悪いことを逆手にとり、1~2週間の長期滞在を促してはどうかなど、アイデアを提言した。
講演会の後半では、熊野三山協議会幹事の山本殖生と対談。
熊野詣の歴史に触れ、和歌山らしさを出した観光の取り組みを進めてはどうかなどと語り合った。
(次田尚弘/和歌山)
【写真】対談する竹中氏(右)と山本氏(左)