前号より京奈和自動車道について取り上げている。
今週は京都・奈良・和歌山がつながることによる効果について観光振興や地域活性の観点から紹介したい。
既に開通している「紀北かつらぎIC」は高野山への最寄口。
車道の案内板には「世界遺産 高野山金剛峰寺・丹生都比売神社」の表示もある。
【写真】世界遺産の案内板が目立つ、紀北かつらぎIC
現在、高野山を訪れる観光客は年間約126万人(平成24年度)。
和歌山河川国道事務所によると、そのうち、約6割が自動車やバスを利用しており、さらにそのうち約8割が3時間圏域からの来訪だという。
現在、3時間圏域とされるエリアは、南端が白浜町付近、西端は神戸市付近、北端は京都市付近、東端は伊賀市付近だ。
京奈和自動車道が整備されることにより、県内全域はもとより三重県、大阪府の全域、西端は高松市付近、北端は敦賀市付近、東端は名古屋市付近までエリアが広がる。
それに伴い、観光客が現在の約4割増の年間約175万人が期待されている。
さらに、京都・奈良・和歌山が道路でつながることにより、「古都京都の文化遺産」「古都奈良の文化財」「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産を巡る人の流れができる。
世界遺産登録10周年を迎える和歌山県にとって、次の10年は観光振興においてさらなる飛躍を期待できそうだ。
3月30日(日)には、紀北東道路の紀北かつらぎIC-紀の川ICが開通。
沿線の主要農産物である柿や桃の出荷においても、物流効率の向上が図られる。
平成27年度に紀北西道路(和歌山JCT-紀の川IC)が開通し阪和自動車道と接続すれば、その効果は計り知れないものになりそうだ。
(次田尚弘/和歌山)