さんぽみちプロジェクト

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和歌山新報で日曜日一面に連載中の「WAKAYAMA NEWS HARBOR」と連携。

「国産レモン」の普及に貢献 明治の和歌山県と広島県の歴史

2022-07-03 14:06:50 | WAKAYAMA NEWS HARBOR
前号では、認証制度でブランド化に成功した「金柑」の事例を取り上げた。
今週は、年間を通して食卓を彩る「レモン」を紹介したい。


【写真】和歌山県産のレモン

レモンはミカン科ミカン属に属する柑橘。ビタミンCが豊富に含まれ、酸味と香りが強く、主に果汁を様々な料理やスイーツに活用することは皆様もご存じのとおり。

原産地はインドのアッサム地方。日本では明治6年に静岡県で栽培がはじまり、その後、気候が近い和歌山県に伝わったとされる。
現在、レモンの一大産地である広島県には明治31年に伝わり、それには和歌山県が関係しているという。

広島県におけるレモン栽培は和歌山県からネーブルの苗木を購入した際に、偶然、レモンの苗木が混在しており、その中から3本を試植したのがはじまりとされる。

瀬戸内の気候がレモンの栽培に適していることがわかり、また、明治末期から大正初期にかけての価格高騰が追い風となり、主に、広島県の大長地域を中心に急激に栽培が普及した。

昭和39年の輸入自由化や、昭和51年と56年の寒波により、広島県をはじめ国産レモンの生産は陰りを見せ、輸入レモンが市場の大半を占めるほどに。
しかし、輸入レモンの外皮に防腐剤が添付されていることから、より安全性を重視する人々から国産レモンが支持され、栽培は現在も続けられている。

2018年の統計によると、生産量の第1位は広島県(42.1%)、第2位は愛媛県(31.3%)、第3位は和歌山県(9.6%)で、和歌山県内の主な産地は、紀の川市、湯浅町、有田川町となっている。

瀬戸内を中心としたレモン栽培に一役貢献した和歌山県。国産の良さを伝え、末永く栽培が盛んであってほしい。

(次田尚弘/和歌山市)
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