永田農法(ながたのうほう)とは、永田照喜治(1926年 - )が創始した農法である。現在の農法と違って必要最小限の水と肥料で作物を育てることが特色であり、「断食農法」、「スパルタ農法」、「緑健農法」、「ルーツ農法」など様々な呼び名がある。美味しんぼで取り上げられ、ファーストリテイリングの子会社エフアール・フーズがこの農法による農作物を販売した(現在は終了)ことにより話題となる。
歴史
永田照喜治は神戸大学経済学部卒業後故郷の天草に戻り、家業の農業に従事。ミカン栽培の経験から、痩せた土で栽培したほうがおいしい作物が取れることに気付く。その後、「砂栽培」(砂に液肥を与える栽培法)に触発されて野菜の原産地に近い環境を再現しようと試みる。その後、雑誌に掲載された原産地の野菜の写真を見て自らの考えの正しさを確信した。現在では、日本国内の他に台湾、中国、フランスなどで導入されている。
方法
ジャガイモ、トマト、ホウレンソウなどの多くの野菜はもともと高原原産であるので高温多湿である日本の気候には本来向かない。そのため、基本的にはビニールハウス内でマルチシートを張って雨風を避け、石交じりの土で作物を乾燥気味に栽培する。肥料および水は、必要最低限の液肥を、葉がしおれた頃合を見て与えるのみである。作物を常に飢餓状態に追い込むことによって、植物が本来持っている力を最大限に引き出すのが狙いである。その結果、できた作物は通常販売されている野菜よりもはるかに多くの栄養を持つこと、そして野菜特有のアクが少なくなることなどが実証されている。
ここで用いる液肥は化学肥料である点が、有機農法とは一線を画している点である(永田は、堆肥の乱用には批判的である。もっとも、永田農法で用いる液肥と同程度の成分になるように有機肥料のみを用いれば、さらに同農法は改良されうるであろうという意見もある)。
問題点
おいしい作物を得るためには、液肥を常に作物が枯れる手前で与えなければならないため、そのタイミングが難しい。そのほかにも、ハウスやマルチなどの設備が必要となり、商業単位ではコストがかさんで野菜の値段が高くなることが問題となる。エフアール・フーズが頓挫した最大の理由でもある。
このため、永田は家庭での栽培のほうを推薦している。
詳しくは→
http://www.kensai.co.jp/
永田農法で作ったニンジンジュース
永田農法で作ったきな粉
旅番組のプロデューサーをしていた時知った「永田農法」。その時からずっと興味を持っていた。