日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 國綱(粟田口) Kunitsuna Tachi

2018-02-15 | 太刀
上杉家伝来の名刀から

太刀 國綱(粟田口)

 刃長二尺五寸一分、反り一寸二分。腰反り深く踏ん張りのある美しい太刀姿。先へ行っても反りがある輪反り風で、上品でありながらも截断にも意を払った造り込み。地鉄は均質に鍛えられた小板目肌で、全体に杢目と板目を交え、縮緬状に揺れて肌立つ風がある。山城物というと、小板目鍛えが密に詰んだものを思い浮かべるが、この太刀はかなり肌目が強く意識されている。ここが一つの見どころであろう。刃文は直調の浅い湾れ刃の構成で、区上に互の目が焼かれている。この辺りは鎌倉時代の粟田口派らしい出来。総体に小互の目と丁子が穏やか交じっており、この点でも品位が感じられる。

刀 細川正義 Masayoshi Katana

2018-02-15 | 
刀 細川正義


刀 細川正義

 江戸時代の刀工の綺麗な刃文を紹介しているが、久々に、備前伝の綺麗な小互の目に小丁子交じりの刃文。正義は水心子正秀の弟子の一人で、師の復古刀論を実践し、この手の刃文を得意とした。小互の目丁子の刃文は定形化することなく出入複雑に変化し、足の入り方も左右に開いたり逆がかったり、長短変化に富んだりと多彩だ。地鉄は小板目肌が密に詰んでいる。