日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

平造脇差 相模國住人廣光 (火車切)

2018-02-17 | 脇差
上杉家伝来の名刀から

平造脇差 相模國住人廣光 康安二年十月日

 南北朝時代の相州物らしさが強く出ている皆焼出来の小脇差。刃長一尺二寸六分、反り二分。火車切と号された作。大太刀の添え差しとされたもので、抜刀し易い小振りの造り込みながら身幅広く、刃の抜けも良さそうな構造。大振りの相州彫も特徴的。地鉄は板目肌が良く詰み、焼が強いわりに肌立つことなく綺麗で、相州本国物の極上地鉄とはこのような作を指すものと言え、在銘作の貴重さを改めて感じ得た。何といっても刃文が鮮やか。袋状の互の目に小互の目、小丁子が複雑に交じり合い、刃中には足、島刃、葉、沸凝り、匂の広がりが加わって明るく、飛焼も騒がしくなく、過ぎることなく配され、所々焼刃が二重になっているのではないか(二重刃ではなく)と感じるほどに複雑。帽子は火炎状に乱れて返る。

刀 播磨大掾忠國 Tadakuni Katana

2018-02-17 | 
刀 播磨大掾忠國


刀 播磨大掾忠國

 二尺四寸強。肥前刀らしい綺麗な姿格好。区も深く健全体躯であるから、なおのこと美しい。奇麗なのは姿だけではない。良く詰んだ小板目鍛えに細かな地沸が付いた、極上の肥前肌。これに焼かれている互の目乱の刃文も綺麗だ。小沸の粒子が揃って明るく、互の目は大小、しかも虻の目状の特徴もある。穏やかに連続する互の目から刃先に向かって射し込む足は左右に開き、これを穏やかな砂流しが撫でるように流れる。170□