日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 Kanemitsu Tachi

2018-02-22 | 太刀
上杉家伝来の名刀から

太刀 備州長舩兼光 延文五年六月日

 三日月兼光の号のある作。刃文に特徴のある作。姿格好は身幅の広い南北朝スタイルで、良く詰んだ小板目肌に鍛えられている。映りは比較的淡く、鎬寄りに起ち、区上から下半が比較的強く感じられる。刃文は匂主調に小沸が複合された腰開き互の目乱で、帽子は小さく乱れて焼き詰風。互の目と互の目の間の平地側に、小模様に乱れた尖刃が焼かれており、これが山間に沈みゆく三日月のように見えるという特徴がある。

脇差 南紀重國 Shigekuni Wakizashi

2018-02-22 | 脇差
脇差 南紀重國

 
脇差 南紀重國

一尺四寸二分の、脇差としてはちょっと短い作。江戸時代の大小揃いの脇指は、一尺五寸から六寸ぐらいが普通だが、それらと比較すると、ちょっと短い。これが江戸時代最初期の脇指、実用の時代の脇指の一典型である。平和な時代の作ではなく、抜き易さ、操作性を求めた脇差である。戦国時代以前に盛んに造られた一尺二寸前後の平造脇差と同じ線上にあると捉えれば分かり易いだろう。寸法に比較して不格好と感じるほどに身幅が広い作もある。その迫力が所謂慶長新刀の魅力であり、その影響下にあるのが本作である。地鉄は地沸の付いた小板目肌。ゆったりとした綺麗な湾れ刃を焼いている。