日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 國宗 Kunimune Tachi

2018-02-16 | 太刀
上杉家伝来の名刀から

太刀 國宗

 刃長二尺六寸九分、反り一寸二分。鎌倉時代中期の備前国宗と極められている、元来が無銘の太刀。茎が雉子股に仕立てられており、腰反りがおおらかについて踏ん張りがあり、小鋒に結んで備前刀らしい出来。姿はもちろん堂々として素晴らしいのだが、地鉄の美しさが際立っている。杢目交じりの板目肌が、均質に、しかも良く詰んでおり、地景によって肌目が綺麗に起ち、鮮やかさは絶品。映りは焼刃の上に暗帯部を伴って乱れて現れているが、鎬地に向かって淡く溶け込んでいるかのように広がり、この太刀の大きな見どころとなっている。匂口明るく冴えた刃文は比較的穏やかな互の目丁子で逆がかった小足も穏やかに入る。

刀 播磨大掾忠國 Tadakuni Katana

2018-02-16 | 
刀 播磨大掾忠國


刀 播磨大掾忠國

 忠國は肥前を代表する一人。その寛永十三年の作。即ち播磨大掾を受領したすぐあとの作。地鉄は小板目鍛えだから忠吉伝。これに地沸が付いて明るい。刃文が綺麗だ。互の目を複合してもこもこっとした感じ。でもよく観察すると、刃境に小沸が付いた互の目が二つ三つと連なっているのが判る。これが肥前刀の互の目と特徴の一つ。ここでは、互の目の高さも違えており、また焼頭の上に丸い飛焼を配しており、それらが小沸と匂の調合からなっている。さらに砂流し沸筋が所々に掛かって・・・とにかく綺麗だ。