日本刀鑑賞の基礎 by ZENZAI  初心者のために

日本刀の魅力を再確認・・・刀のここを楽しむ

太刀 備州長舩盛重 Mirishige Tachi

2018-02-21 | 太刀
上杉家伝来の名刀から

太刀 備州長舩盛重 文正元年二月日

 備前国大宮盛重の、茎の長い太刀。刃長三尺八寸一分、反り一寸五分強。この長さを破綻なく鍛え、しかも均質に焼き入れているのだから凄い。良く詰んだ地鉄に、激しく乱れた映りが立つ。刃文は腰の開いた互の目に小丁子交じり。丸みのある互の目が花のように寄り添って一つの単位となり、これが小互の目丁子の中に連続している。匂口に柔らか味があり、茎長く頑強で、激しい打ち合いをするためものだろうと思われる姿からは想像もできない美しさ。これがこのように遺されてきたことを想うと、手を合わせたくなる。

刀 越前守助廣 Sukehiro Katana

2018-02-21 | 
刀 越前守助廣


刀 越前守助廣

 二寸ほどの磨り上げで二尺二寸半ほどの扱い易い寸法とされている刀。焼が深いので地鉄の様子が分かり難いのだが、良く詰んだ小板目肌に柾目流れ状の肌が交じっている。焼が強いために柾肌に地沸が絡んで覇気ある景色を生み出している。刃文は強い沸を意識している大乱ではあるが、激しく沸の流れている中に、大きさの異なる互の目が連続しているのが判る。助廣の作の多くは沸の粒子が揃っているのだが、ここでは濤瀾乱に沸筋金線地景などの古典的相州伝を明示したものであろう。これも綺麗だ。