▲「アラビアのロレンス」、正に空前絶後の大作でした！
自由が丘大人の音楽教室 新沼健です。
「自由が丘大人の音楽教室」とは関係無い、映画・ドラマの感想、美味しかった料理、世相について思うことなどをこちらに書いています。
稀に見る名画である、という評価は見たり聞いたりしていたのですが、如何せん、4時間に迫る上映時間、舞台がオスマントルコ帝国支配下の中東、公開から50年以上を経た古い映画であることなどから、今までテレビ、ビデオ、DVDなどでの鑑賞に二の足を踏んでおりました。
しかし昨年、最後の「午前十時の映画祭」上映プログラムが発表され「アラビアのロレンス」が上映されるとわかった時、この機会を逃せば、当作品を劇場で見ることはまず叶わないであろうという気持ちから、早々に当作品の鑑賞を決めておりました。
正に空前絶後の大作でした！
劇場で鑑賞することが出来て本当に良かったです。
「午前十時の映画祭」運営スタッフには感謝しかありません。
10年間に亘る映画祭の運営、ご苦労さまでした、そして当作のような名作を劇場で鑑賞する機会を作っていただき、誠にありがとうございました。
見どころはまずなんと言ってもスケールの大きい映像美です。
木村大作氏が「アラビアのロレンス」のような画を撮りたい、と言っていたように思いますが、その気持ち、実によく分かります。
とにかく圧倒的な映像美が当作品の最大の魅力です。
実は昔の映画なので、相当にペースが鈍いのではないかと危惧しておりましたが（冗長に感じる部分こそ、２〜３あったものの）そんなこともなく、4時間に迫る上映時間があっという間であったかに感じました（少し盛り過ぎ？）。
しかし、文句のつけようのない映像・音楽に対して、ロレンスの人物像がどうもはっきりしないのが、隔靴掻痒と感じました。
冒頭の葬式のシーンより、ロレンスは毀誉褒貶の人であるという事がわかるのですが、それを私は、心の底からアラブの独立を願う熱血の人、あるいは、単に祖国イギリスに忠実な軍人であり、工作員だったのか、それは彼を知る人によって二分されるのだ、くらいの描写になるのだろうと想像していたのですが、さにあらず。
アラブの友人の死には慟哭するが、敗残トルコ軍人を残忍に殺しまくるサディストであり、一転、ものすごく気弱な面もあり、ひょっとするとモーホーだった？
というように、ロレンスを実に多面的に描写するのですが、このあたりが、本当は英雄譚であるべきこの大作映画には全くふさわしくないようで、ロレンスに感情移入できませんし、鑑賞後もなにか釈然としない気持ちが残るため、この点を私は評価しません。
とはいえ、文化遺産のような映像美は劇場での鑑賞でこそふさわしいと思いますので、繰り返しになりますが、劇場での鑑賞を超強力にお勧めします！！
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