▲映画マラソン14/100 「容疑者Xの献身」
11/2 映画マラソン14/100 「容疑者Xの献身」配信
分類 サスペンス
脚本 福田靖
主演 福山雅治 堤真一 柴咲コウ
帝都大学の湯川学は「ガリレオ(またはガリレオ先生)」とあだ名されていて、時折、大学の同期であった警視庁の草薙とその部下の内海の捜査を手伝っている。
石神哲哉は高校の数学教師で湯川の同期であり、湯川が彼こそ真の天才であると認めるきわめて優秀な数学者だが、高校教師としての使命感、やりがいを見いだせず、厭世観にさいなまれていた。
石神のアパート隣室には、花岡靖子と中学生の娘が暮らしていて、靖子は弁当屋を経営し、石神がそこで弁当を買ってから登校するのが日課になっていた。
靖子の前夫である富樫真二が、靖子の部屋に押し入り金を無心した。手持ちの紙幣を投げつけ「帰れ」という靖子だが、富樫は意に介せず、「お前は俺から逃げられないんだ」とうそぶく。
そこへ、義理の娘だった美里が帰宅する。
富樫を見て呆然とする美里に、自分の部屋に行けと指示する靖子。
美里の部屋の戸を開け放ち、「もうじきキャバクラで稼いでもらうからな」と美里に言う富樫。
なんとか富樫を帰そうと玄関まで押し戻す靖子、帰り支度の靴を履いている富樫の後頭部に美里がスノードー厶を振りおろす。
激高した富樫が美里を投げ飛ばし、蹴り上げる。
止めに入った靖子がこたつに投げ飛ばされる。
美里を殴る富樫の背後から、偶然手にしたこたつのコードで富樫の首を締め上げる靖子。
苦しがる富樫の腕を押さえる美里。そして息絶える富樫。
隣室でこの騒動を壁越しに聞いていた石神が、靖子の部屋の呼び鈴を鳴らす。
ドアチェーンをかけ、少しドアを開ける靖子、「ゴキブリに驚いて親子で大騒ぎしてしまいました」とドア越しに言い訳する。「殺したんですか?」と聞く石神。
ギョッとする靖子の顔。あきらめたようにドアチェーンを外し石神を招じ入れる靖子。
河川敷で他殺体が発見され、身元が富樫真二と断定される。
富樫が靖子の弁当屋のことを、靖子が勤めていたクラブで聞き回っていたと言うことが捜査線上に浮かぶ。
事件を担当する草薙と内海が聞き込みに靖子のアパートを訪れる。何の成果もなく靖子のアパートを辞去した草薙と内海だが、メールボックスから郵便をとり出している石神に出くわす。
そこで富樫が靖子を訪ねてこなかったか、写真を見せながら聞く。そのような顔を見た覚えはないし、靖子に来訪者があった気配はないと応える石神。
石神が手にした郵便物をちら見する草薙、石神も帝都大学の卒業生であるとことを知る。
捜査が難航し、湯川に捜査協力を依頼する草薙と内海、しかし、にべもなく断る湯川。しかし、容疑者が凄い美人なんだと言う草薙。「コーヒーを入れよう」と研究室で二人から事情を聞く湯川。
草薙は、靖子の隣人が石神と言い、帝都大学の卒業生であると湯川に話す。湯川は石神こそ天才だといい、石神のアパートを訪ねる。
石神が作り上げた恐るべき鉄壁のアリバイを、湯川が崩すことが出来るのか? という物語です。
当作品は本編導入部の出来が出色で、開始早々ドラマに引き込まれていきます。
アバンタイトルこそTVのガリレオシリーズのように派手な演出なのですが、本編の作りはTVガリレオシリーズとはまるで別物です。
公開初日くらいに見に行ったのですが、TVとは全く違うその重厚さと、物語の深さにとても驚きました。
当作品があまりに面白かった為、当日か翌日には原作本を購入し一気読み、また再観賞に向かいました。
その後、何度見返したか分からないくらい見ていますが、何度見ても面白い映画です。
映画も原作の世界観を壊さないよう細心の注意を払って映像化されていて、納得の出来栄えなんですが、原作の方が出来がよいのです。多分、東野圭吾の最高傑作だと思います。
視聴者をミスリードする為の改変が映画にあるのですが、全く効いていないし、初見の時でさえ違和感を感じるほどでした。
堤真一はとても良い演技でしたが、原作のイメージからほど遠く、ハンサムすぎでした。
原作のイメージで僕がキャスティングすると、石神役は断然、塚地武雅になります。
重い映画なので観賞するたびに覚悟がいるのですが、抜けて面白い作品ですので、未見の方は是非一度ご鑑賞を!