葦の呟き

お嬢に翻弄される日常と、時折、自作の絵本を綴ります。

Frankfurt am Main #3

2014年07月25日 | おでかけ
一日戻って日曜日のこと。
日曜日でお仕事がお休みということで、パパも午前中だけ一緒にレーマー広場に行きました。

午前9時ということもあって、まだ観光客(団体ツアー客)も少なめな感じ。ドーム(バルトロメウス大聖堂)前はほとんど人がいませんでした。
大聖堂を見上げていると、不意に誰かが大声を上げながら近づいてきました。

なんかヤな感じ…。

声の主はもう一人を引き連れてやってきて、パパの前に立ちはだかりました。

「おれたちは警察だ。麻薬の取り締まりをしている。IDを見せろ」

ドイツ語交じりの英語で、彼はそういってパパに警察手帳(みたいなもの)を見せたそうです。

「おれの目を見ろ。財布を出せ」

彼はパパの財布を開くと、くんくんと匂いを嗅ぎました。そして隣にいるもう一人の男にもにおいを嗅がせました。

次はどうやらママのようです。

同じように

「IDをみせろ。財布を出せ」

彼はママの財布を開き、50ユーロ紙幣の束を抜き取りました。

お金を取られるんじゃないのか?!って思ったんだけどさ、

彼は紙幣の束を折りたたんで匂いを嗅ぎ、もう一人の男に渡しました。もう一人の男も匂いを嗅ぎ、

「ここに入れるからね」

そう言ってママの目の前で、紙幣を折りたたんだまま財布の、なぜか小銭入れの方に紙幣を入れて財布を閉じ、ママに返してくれました。そして、すぐに鞄を閉めるように言い、危ないから立ち去るように言われました。


こんなこともあるんだね。。。
なんて言いながら、レーマー広場に戻って、なんだかやっぱり気になるので財布を見てみると、

「あ、ない」

見事に50ユーロ紙幣は消えておりました。


なんだろう。スリっていうか詐欺っていうかマジック?!


そのままにするのも何なので、レーマー広場で巡回中の警察の人に事情を話しました。お金が戻ってくるとは思ってないけど、なんとなく、ね
日本でも警察官とお話することなんてないのにね
2人組の特徴をいろいろ聞かれて、覚えてる限りのことを伝えたんだけど、

「目の色は?」

って聞かれたときはびっくりしたなぁ。そうか、そういう特徴もあったんだね。さすがにそこは見てなかったよ。服装とか背格好とかは比較的よく見てたんだけどなぁ…。

警察の人は言いました。

「こういうことはフランクフルトで問題になっているんだ。でもどうしようもない。んーーー気を付けてもらうしかないんだ。警察はほら、こんな恰好をしているしね」

確かに、警察の人はどこからどう見ても「警察官です!」っていう服装でした。見せてもらった警察IDはパパがニセ警官に見せられたものとは全く違うものだったらしい。
(街を歩いたときに、警察の制服っぽいものを売っている店も見かけたから、服装だけで判断できるかっていうと微妙なところもあるけどね)


でもさ、大人の男二人組に警察だって言われて、それが偽物だとわかったところで、「あんたニセモノでしょ」なんて言うことが果たして安全かどうかと考えると微妙なところ。何を持ってるかわからないしね。これはもう目をつけられたのが不運だったのかな。
せめてもの抵抗は、一見財布じゃないところに高額紙幣をしまっておくことかな。財布には、盗られてもさほど痛くない額だけ入れる感じ。
(彼らは50ユーロ紙幣しか手に取らなかったし。小銭なんて見もしなかったんじゃないかなぁ。しかも「これは財布じゃない」ってママが言ったポーチには触れもしなかった)

彼らの特徴はね、
一人はやや小太りで、やたらとでかい声でしゃべる。英語は片言。
もう一人はやや背が高くて気の弱そうな感じ。鼻が大きかったなぁ。髪は短くて薄茶かな。
どっちも水色のシャツに濃色のパンツ。

もしフランクフルトでこのマジシャン…じゃなかった、詐欺師に出会ったら、お金返して~って言っといてください

盗られたのは250か300ユーロ。
財布ごと盗られてたらカードもなくなって面倒だったろうし、カバンごと盗られてたらパスポートがなくなってさらに面倒だったろうし、そうかんがえると紙幣を盗られただけっていうのはラッキーだったのかもね

お嬢にとっても、いい社会勉強になったかと…