先週末の天気は下り坂、しかしなんとか土曜日は天気が持ちそうだったので、市の中心部にある松川の遊覧船に乗ってきました。まさにその松川沿いは富山市の桜の名所のひとつなのです。
遊覧船乗り場の前、船が待ち構えていますがその前には見事に桜が花開いていました。人は沢山いましたが早く来たのでスムーズに船に乗ることが出来ました。
船上からの風景、乗務員さんが説明しながら進めてくれました。
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全部で七つの橋がかかっています。それぞれの橋には意味があります。橋よりもどちらかといえば桜に目を取られてしまったような気もするのですが。。。
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ひょいと岸の方を見たらこのような方に出会いました。アオサギ、いるんですよ♪
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橋もですがなんといっても満開の桜の美しかったこと!ビルの近くでもしっかり咲いていました。花のトンネルも美しかったです。まるで桜街道!
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船から降りて土手を歩くと至近距離から桜を見ることが出来ました。
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乗船場のそばに松川茶屋という喫茶店があったので抹茶と桜アイスをいただきました。甘くなくて食べやすかったです。桜アイスのほんのりとした香りもよかったです。
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ちなみに松川茶屋の奥には素敵な部屋があるのです。入口が目立たないのでうっかりしていたらその部屋の存在すら忘れてしまいそうなのですが、忘れませんでした、ちゃんと入れていただきました。
そこにはピアノと
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滝廉太郎の像と生涯を紹介した掲示が。。。
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なんと松川茶屋の一室が「滝廉太郎記念館」になっていたのですね!
しかしなぜ滝廉太郎記念館がこの富山の松川沿いにあるのでしょう?
実は滝廉太郎は富山とゆかりのある作曲家だったのです。元々は富山の出身ではありませんが父の吉弘氏が富山県知事代理を務めたため小学校1年生の途中から3年生の途中まで旧富山城内の学校に通っていたそうです。そして富山在住の期間が「花」「雪」も含まれる組曲「四季」や「荒城の月」の曲想のもとにもなっていた可能性があると言われています。
富山城は藩政時代は現在の城址公園の約6倍の広さがありました。しかし明治の廃城後、本丸御殿や石垣、時鐘台、内堀は残されたものの、必要のなくなった外堀は埋め立てられ、富山県中学校や県会議事堂等の新しい建物が建てられていきました。荒城の月の作詞者である土井晩翠は、戊辰戦争で悲劇の落城を遂げた会津若松の鶴ヶ城を思い浮かべて歌詞を作ったのですが、滝廉太郎はこの歌詞に惹かれて曲を作りました。その際に思い浮かべたものは自分が見てきた数々の城でしたが、その中に富山城もあり、しかもその富山城は廉太郎氏が生まれて初めて入った城であり、荒城の月の曲のベースにもなっているのではないか、と言われています。
そして記念館に展示してあったピアノは、「マツモトピアノ」というピアノです。滝廉太郎が洋楽の研究作曲に没頭していた頃、国産ピアノの製造に情熱を傾けていた三人がいました。西川虎吉、山葉寅楠、松本新吉の三人。その中の松本新吉氏の会社「松本楽器」が作ったピアノです。
山葉寅楠は「ヤマハ」の創業者。西川虎吉は来日中のドイツ、アメリカの技術者からオルガンの製造を学び「西川楽器製造所」を作りドイツアメリカのピアノを元に日本製のピアノを初めて作りました。そしてここでも登場する「マツモトピアノ」の創設者、松本新吉氏は西川氏に弟子入りし松本楽器製造所を設立。柔らかく上品な音色が魅力的だったそうですが最終的にはヤマハこと日本楽器に吸収されてしまいました。
記念館内にあったピアノを弾いてみたかったのですが願いかなわず。。。
しかし、youtubeにマツモトピアノを紹介した動画がいくつかありました。
マツモトピアノ100年物語という動画です。新吉、新治、新一の三代のピアノ技術者によるピアノ開発の歴史を語っていました。最初の新吉のピアノを紹介した動画を貼り付けます。
明治43年製造の松本ピアノを聴いてみます♪松本ピアノ「スウィートトーン」 ドビュッシーの亜麻色の髪の乙女から始まります。2曲目(2分14秒)からは滝廉太郎作曲のメヌエットです。彼が作ったピアノ曲はこのメヌエットと、憾という曲の2曲だと言われています。メヌエットは日本初のピアノ曲かもしれませんね。
古き国産のアップライトピアノですがとても香り高き音色だと思いました。