雪と嵐が続き、青空が見える日がほとんどなかった今年の冬も潮時がやってきた。雪が降らなくなり、徐々に暖かくなってきた。そしてついに、念願の晴れの日が到来!しかも週末、土曜日、何も予定が入っていない日に♪せっかくなので気になるところに出かけてみようと思い、富山地方鉄道立山線に乗車。終点まで向かうことにした。
富山駅を出発した富山地方鉄道立山線。徐々に立山に近づいている。
もっと近くなる。剣岳が目の前に見える。
岩峅寺駅を過ぎて電車が南方から東方へ向かい始めると、雪が見えはじめ、風景も一気に変化する。積もった雪の中から生えている木々が印象的。
川が流れている。山に向かうときに川を沿って上ることは多いけれど、雪の積もった河岸を見るのは初めてだった。
橋を渡る。選奨土木遺産に認定された立山線の千垣橋梁だ。向こうに見える橋は、千垣橋梁ではないけれど、さすがの景観!
車窓から。ここは日本!川が雪で覆われている。
無事に立山駅に到着。しかし人はほとんどいない。なにしろアルペンルート開通前、ケーブルカーも休業中。
しかし失望はしない。立山駅周辺からも十分に素晴らしき絶景を楽しめるのだった。美しい山々も豪快な川の流れが楽しめる。むしろ、厳しい冬が明けた直後の立山駅周辺をこの目で見ることができる喜びを噛みしめていた。
そしてその期待通りの風景が待っていた。ここは立山駅の南側、階段のようになっているけれども、いつもは水が大きな音を立てて流れているところ。冬なので雪が積もっていて、かなり奥、川の中心部を水が流れていた。
鉄橋。スケールが大きい!
この険しい鋭角の山々がたまらない!
反対側を見ると踏切が見える。こんな山に囲まれたところに踏切があるということ自体にそそられるものがある。しかし立山線からはちょっと離れている感じだ。一体何の踏切だろうか?
そう思いながらしばらく歩いていたら、じっとこちらを見つめている方が!こんなことが起こるとは全く想像していなかった。
かもしかさ~ん!
まさか、こんなところで、国の特別天然記念物、かもしかに遭遇するとは思わなかった。しかもこのかもしか、私がスマホを向けても全く逃げるそぶりがなくずっとカメラ目線だった。好奇心がとても強いらしい。後でかもしかは富山県の県獣であることを知った。嬉しくなってきた。 お目にかかれてうれしいです!
かもしかとの遭遇という思わぬハプニングにすっかり浮かれ理性のタガが外れそうになりながらも、再び立山駅のほうに向かう。
立山駅の近くには、立山カルデラ砂防博物館という素晴らしい博物館がある。立山黒部アルペンルートの南側に、立山カルデラという巨大な窪地がある。その立山カルデラの周辺では土砂流出災害が度重なり人々の生活にも支障があったため、土砂崩れをなくすために砂防事業を繰り返すことで富山平野への土砂の流出を防いでいる。立山カルデラ砂防博物館では人々と立山カルデラとの関わり方の歴史や今後について学ぶことができる。この時間には開館していたが今回は行かなかった。
立山カルデラ砂防博物館の裏側にちょっと足を運んでみたら、小さな社に遭遇。本当に神様がいそうな気がする。
そしてこのトンネルらしき建物。あの立山アルペンルートのケーブルカーが出発するところだ。シーズン前なので静まり返っている。
立山駅の前、喫茶も二軒あるのだが、残念ながらどちらもあいていなかった。でも風景はアルプスらしくて素敵。。。
ちょっと視線を変えるとこんなに素晴らしい景色も楽しめる!
立山駅前の線路。奥は立山駅。プラットホームも雪がもっこり。
線路を渡って反対側に向かう。反対側から見た立山駅。この日でなければここまでちゃんと見ようとは思わなかっただろう。
立山駅近くに生えていた木。このあたりの木は生え方もワイルドなのだった。
反対側には川があるのだが、なにしろ雪が沢山降った後、大活躍したと思われる除雪のショベルカーが川べりにたたずんでいた。
案内がある。上流には、落差日本一の称名滝がある、称名川だ。
さらに川のほうに向かうと見えてきた。ダイナミックな流れが。水量はいつもよりは少ない気がしたが、それでもかなりの大音量だった。遠くには北アルプスの山々が!この風景全体がスケールが大きくてお気に入りなのだった。水が流れる様子を動画にも撮ったのだが、載せ方がわからず載せられなくて残念だ。
時間帯は夕方、橋の反対側の流れはゆるやかだったが、川と雪と沈もうとしている太陽とのコントラストがなんとも幻想的な雰囲気を醸し出していた。立山駅の駅員さんがおすすめの場所だと教えてくださったところ。
短時間だったが、スケールの大きな大自然に囲まれて体も心もすっかりリフレッシュすることができた。今年の冬は寒くて雪も多く厳しい冬だったが、冬の間さらに厳しかったであろう立山駅周辺の春の訪れをこの目で見ることができて本当によかった。生きた地球の姿が手に取るように伝わる大自然にあふれたところに、富山地方鉄道という、公共交通機関だけで行くことができるというのも貴重なことに思えた。
帰りの車窓から。本当に楽しかった!是非また足を運びたい。