エリソ・ヴィルサラーゼさん、彼女のソロの演奏会に憧れながらも行ける日は来るのだろうかと以前は思っていた。ところが急遽行けるではないかという状況に。これは行くしかない!とばかり奮発してチケットゲット。行ってきた。
<プログラム前半>
チャイコフスキー作曲 四季Op.37 より、1月~8月
プロコフィエフ作曲 サルカスム(風刺) Op.17
プロコフィエフ作曲 トッカータ Op.11
<プログラム後半>
シューマン作曲 ノヴェレッテン Op.21より第8曲
シューマン作曲 幻想曲 Op.17
<アンコール>
ショパン作曲 マズルカ第45番遺作 Op.67-4
ショパン作曲 ワルツ華麗なる円舞曲変イ長調 Op.34-1
お馴染みのはずのチャイコフスキーの四季、曲によって音色や表現が異なり、季節感をたっぷり感じる事ができた。初々しさ、力強さ、切なさ、憧れ、様々な感情が音楽の間からこぼれ出る感じ。その中で特に好きだったのが、4月「松雪草」だった。憧れに近づけた喜びと柔らかい光が感じられる音楽。あの日の彼女のこの曲の演奏に恋をしたと言ってもよいぐらい。。。そのような永遠に忘れない演奏に出逢えるために演奏会に足を運ぶのかもしれないと感じた。
一転してプロコフィエフのサルカスムとトッカータ。今まで聴くことがほとんどなかった両曲だったが、推進力あふれる演奏にぞくぞくしっぱなしだった。場面の変化と色彩感、音楽の進行についていきながら共有した思いに。トッカータの硬派な出だしから一気に広がる世界、かっこよくてしびれた。
プログラム後半は、シューマン特集。ノヴェレッテンの第8曲、曲の進行に従いながら感じられる表情の変化ときらめきが印象的だった。
そして幻想曲ハ長調。彼女のこの曲を生で聴きたくてこの演奏会に足を運んだと言っても過言ではないぐらい楽しみにしていた。その期待はかなえられたと言ってよい。音楽と私たちとをうんと近づけてくれたような気がした。特に第3楽章の音楽の運び方、間の取り方に心酔しっぱなし、第3楽章は一度私も演奏したことがある曲だったが、こんなに心打たれる音楽だったんだと再発見。
アンコールのマズルカ、ワルツ、リラックスした親密さを感じる演奏。
演奏会後のサイン会に並び、プログラムにサインしていただいた。片言の英語で素晴らしかったという思いを伝えたら微笑んでくださった。本当にチャーミングなピアニストさん、来日されたらまた聴きに行きたい。