先日練馬区立美術館で「ショパン200年の肖像」という企画展が開催されたので行ってきた。新型コロナウイルス感染症のために開始時期が遅れたものの無事に開催されたとの報を知り、これは行かねばとばかり電車で出かけてきた。
会場に向かう途中にこのような旗が。
到着。テンションがあがります。
入り口では樹で出来た熊さんも迎えてくれた!(幻想美術動物園とあり、他にもいろいろな動物のオブジェがあった)
日本とポーランドとの国交樹立100年を記念して開催された本企画。想像のはるか斜め上を行った素晴らしい企画だった。病弱で繊細というイメージを持たれがちな作曲家ショパンに対するイメージが展示を見ることで変わるかもしれないという内容の解説があったが、まさにそのような内容と思える、盛りだくさんの展示内容に圧倒され、心打たれ、幸せな思いに浸ることが出来た。エチュードOp.10-8とポロネーズOp.71-3の自筆譜、初めて印刷されたショパンの楽譜のところでは、会場で流れている演奏に合わせてなどるように閲覧した。訂正の跡もあり、作曲時におけるショパンの試行錯誤の過程が手に取るように伝わってきた。ショパンのショパンの楽曲を通してポーランドを表現した版画やプレリュードOp.24各曲から連想して描いた絵画、ショパンコンクールのポスターなどショパンの作品を聴いた人たちから見たショパンの楽曲のイメージを美術作品にしたものも興味深かった。楽曲のイメージから描かれた絵を見て、絵を描いた画家たちに共感したとともに、楽曲の新発見もできそうな気がした。(ただ、タイトルが「作品〇〇 〇調」となっているので、原曲の作品番号を頭に入れて作品を見たほうが、より楽しめると思った。)同時代を生きた画家たちおよび後世の画家たちによるショパンの肖像画、生活ぶりが伝わってくる絵画も面白かった。ドラクロワによるサンドと一緒に描かれた作品、アリ・シェフェールによって描かれた晩年のショパンの肖像画のように有名なものもあれば、後世の画家たちが描いた具体的な、もしくは抽象的なショパンの肖像画から彼がいかに人々に親しまれてきたかというのが伝わってきた。ショパンの楽曲の日本におけるショパンの受容史も興味深かった。日本人によるショパン作品の最初の演奏は明治18年に行われ、楽譜の輸入も明治時代に始まっていたとのこと。そして日本最初のショパン弾きは澤田柳吉氏だということも知った。なじみが深く知っていることが多いと思っていたショパンについていかに知らなかったかということを感じたとともに、もっとショパンの音楽を知りたいと思うようになった。
会場、入館と同時に消毒液で手を消毒、受付にはビニールカーテンが施されており、案内の方たちはフェイスシールドを付けていた。私は音声ガイドも借りたのだが、機器やイヤホンは消毒され、イヤホンは使い捨てになっていた。音声ガイドの内容も素晴らしかったのでお勧めしたい。会場でかかっていたショパンの演奏もよかった。フォルテピアノによる演奏ももっと聴きたいと思うようになった。
東京練馬での会期は6月28日(日)18時まで 練馬区立美術館
その次は静岡開催予定 8月1日(土)~9月22日 (火・祝) 静岡市美術館
購入した図録を読んでじっくり内容を消化したい思いである。そしてショパンの曲ももっと演奏できるようになりたい。そういえばつい最近エチュードを練習しようと決めたばかりなのだった、頑張ろう。ショパン様、弾くのは大変手ごわい作曲家なのだが末永く仲良くできますように。。。