夫と富山県高岡市から射水市に向かって走っている路面電車、万葉線に乗ってでかけた。万葉線という名前、先祖と歴史を大切にする思い、ここにも出ているね。乗る人はあまりいないのではないかと思っていたのだけどどっこい、結構沢山の人が乗っていた。
乗車予定の電車、高岡駅に到着。可愛いドラえもんトラム!夢を感じる。高岡市出身の漫画家、藤子・F・不二雄さんの代表作「ドラえもん」の生誕日である2112年9月3日の生誕100年前を記念して2012年9月に運航を始めたとのこと。乗る前からテンション上昇。まだ折り返す前だから行き先が「高岡駅」になっている。
乗車、窓と天井にはドラえもんのキャラクターたち、そして柱にはどこでもドア、タケコプター、どら焼きなどの絵が描かれていてとっても楽しい。
のび太の天井画!最強なものを感じる。
しかしそれだけではなかった、運転席の前にはこんなかわいいお方が!やばすぎます。勝手に持って行ってはだめですよ~
万葉線、米島口まではゆったりしたスピードで路面を走っていく。電車から高岡市の風景を見たのは初めてだったのだが、こんなに奥深いところだったとは!
米島口から路面ではなく鉄道のような路線になるところが出てきた。「吉久」というところ、古い町並みが美しいところらしい。北西部の伏木、氷見方面へとつながりそうな「中伏木」という駅も通過しテンションアップと同時に次は射水市の「六渡寺」。「六渡寺」から「小川口」間で庄川を渡る。よい見晴らし。あいにく曇っていたものの晴れていたら立山連峰も見えてさらに素晴らしい見晴らしだっただろう。
この橋を渡るといよいよ目的地の新湊。今回新湊へと向かった目的はこちら。途中駅の新町口駅で下車。
新湊、いや富山の名物。セリで購入したばかりのベニズワイガニたちが生簀の中にごっそりと。高志の紅ガニとこちらでは呼ばれている。この方たち、その後の運命が決まっているのでかわいそうなのだけどこればかりはお許しを。人々の舌と胃袋に最上の喜びを与えてくれるのだ。感謝して、いただかなくてはいけません。店の中も蟹の香りがいっぱい。
店内のポスター。いきのよい魚の前で立川志の輔さんが「だいてやる」と言っている。大丈夫なのかこのポスターと思いながら左下を観たら、「おごってやる」という意味だと書かれていた。「おごる」「ごちそうする」という意味なんだ。それにしても強烈。私の周辺ではこの言葉聞くことはほとんどないのだけどね。
塩ゆでの高志紅ガニ到来。すごい迫力。そして綺麗。蟹を一杯いただくという夢ついに実現!
店員さんがさばき方を丁寧に教えてくださり、はさみと蟹スプーンを駆使しながら足から脳みそまでしっかり頂いた。あまくて風味たっぷりのお肉がぎっしりと詰まっていて最高の美味しさだった。蟹って、いままであまり食べる所がないような印象を受けていたけれど(今回蟹を食べたいと言ったのは夫だった)とんでもない、一杯でも充実しまくりの内容だった。後で調べてみたら、ビタミンB12、ビタミンE、銅、亜鉛、タンパク質、タウリン、カルシウムなど体によい栄養素が豊富に詰まっているとのことだった。おそるべし、蟹様!
蟹の後はこちらのメニュー。蓋を取る前だったのだけど、海鮮鍋、出汁が極上の美味しさだった。
食後にはこちら。白エビとクッキー、ちょっとシュールなのではと思いながらもいただいたら、さっくりふわふわとても美味しかった。
おなかを満たした後は新町口駅に戻り万葉線で終点の越ノ潟駅まで向かう。新町口から越ノ潟までの間、海側には内川に沿って素晴らしい景観が楽しめるのだけど、今回はそちらには目をつぶり全線踏破を最大目的に。ラッキーなことに再びドラえもんトラムに乗ることが出きた。
越ノ潟駅に到着。先ほどまで乗っていたドラえもんトラム。
越ノ潟駅から対岸に向けて県営渡船のフェリーが出ているという話を聞き乗ることにした。あるいて1分ぐらいのところで見えた港。フェリーに乗るの、久しぶりだな。最高!建物の中には時刻表があり電気ストーブがついていました。
フェリーがやってきた。この区間には新湊大橋もできたのだが、この県営渡船は今も無料で運航を続けている。地元の人たちの足として今も使われているのかな。
船上からの景観のすばらしさ!万葉集の大伴家持の歌にでてくる「奈呉」「奈呉の浦」はこのあたりだったのね。
波が思ったよりも荒く2階に乗っていたのもありかなり揺れたのだけど、それも含めてなんともかけがえのない貴重なひとときだった。
舟から降りて向こう岸の堀岡発着場。発着場の待合室はこんな感じ。この寂れた感じがたまらない!通常運行という文字の主張も。維持、運営も大変だと思うけれど、このままでずっといてほしいと思った。行ける方、ぜひ、この「越ノ潟フェリー」に乗りましょう!
堀岡から越ノ潟へとUタ―ン、復路は新湊大橋の歩道「あいの風プロムナード」を通ることにした。人や自転車が通ることのできる「あいの風プロムナード」車道の下にあるのだった。しかしそこに行くまでにエレベータに乗る。そしてそのエレベータのあまりの高さにびっくりした。ビルで言ったら6、7階は軽くいきそうな気がする。車で橋を渡るときにはそれだけ激しい傾斜の道を通っているのだ、改めてびっくり。ちなみに富山マラソンではこのプロムナードはとおらずに車と同じ道を通るとのこと。相当の傾斜に違いない。体力いりますね~。プロムナードのエレベータに乗る前に見えた新湊大橋。
「あいの風プロムナード」の様子の写真は撮りそびれたのだけど、まことに貴重な経験だった。行けてよかった。
プロムナードを渡った後の新湊大橋の写真を。向こう側に見える帆船は海王丸だ。今まで何回か見に行ったな、本当に美しい船だった。
新湊大橋の余韻、もう1枚。
万葉線、越ノ潟駅からふたたび高岡駅まで乗車。今度は赤くて古めの一両電車だったのだが、射水市出身だいてやるの立川志の輔さんの愉快なアナウンスと、見た目よりもかなり頑丈でしっかりした感じの乗り心地ですっかり快適なひとときを過ごせたのだった。楽しかった!スピードは遅いかもしれないけれど遠距離を走り続け楽しい工夫がたっぷり凝らされた万葉線、これからもずっとずっと運行し続けてほしい。