ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

八雲立つ・・・

2013-09-27 11:18:51 | 旅のこと

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秋風に吹かれて、出雲へ行ってきた。といっても、バス旅行が当たったんだけれども・・・。出雲といえば、何といっても出雲大社。 ここへは、十年近く前、友人と来たことがあるのだが、今年は大遷宮とかで、社もすっかり新しくなっている。

「あれ、以前来た時は、もっと古色蒼然たる雰囲気があったのにな」と思いながら、参っていると、それは古来から残っている宮だと判明。 ここは、写真撮影も禁止されており、古い木組みや、彫りこまれた意匠に、「神寂びた」という言葉が思わず浮かんでしまったほど、厳かな雰囲気。 

そして、出雲は「八雲立つ・・・」と形容されたように、雲が多い土地。 グレーがかった雲がむくむくと湧いてくるようで、心なしか空が低く感じられる。 これでは、確かに冬の積雪量は凄いだろう。 ずっと昔からそうだったのだろうな、と思いながら、しばし、古代に思いを馳せる。出雲大社は、よく知られているように、大国主命を祭っており、彼は大和朝廷以前にこの地方を治めていた部族の王がモデルなのでは、と言われている。 天津神と国津神の争いの神話は、そのまま大和民族と、先住民族との抗争の歴史を土台としたものだと、よく言われているけれど、当時の出雲にはどんな風景が広がっていたのだろう?

太い神殿の柱が地中から発掘されて、「古代文明の遺産」と騒がれたことも、大分以前になる。いにしえの日本は、ミステリー小説など遠く及ばないロマンである。

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