あまんきみこさんの「きつねのかみさま」です。 深い緑の表紙には、幼い姉弟と、突然現れた彼らにびっくりして振り向く子ギツネたちの絵--この魅力的な可愛らしい絵は、酒井駒子さんの手になるもの。 いかにも素敵な物語がはじまりそうではありませんか?
公園になわとびを忘れた女の子が、小さな弟を連れてそこへ行ってみたら、キツネたちがなわとびで遊んでいる! う~ん、なんて楽しいファンタジーでありましょう。女の子が語りかけてくるような文体も、優しくムードがありますね。
もちろん、女の子たちはきつねたちとなわとびをして、楽しく一日を過ごすのですが、彼らを包み込むのは、深い緑の情景。緑色のファンタジーとでも言いたくなるくらいであります。 絵と言葉がシンフォニーを奏でる、素晴らしき絵本。
タイトルの「きつねのかみさま」とは何? それはこの本を読んでからのお楽しみに。 とびきり可愛らしくて、キュートな答えがあるはず。 なかなか見つからないかもしれないけれど、どこか緑なす草っぱらの公園では、今日もきつねがこっそり遊んでいるかも?
P.S わたしも、以前お宮の公園で、死んでしまった愛犬が、お盆の夕方、他の犬たちと盆踊りを踊っているお話を思いついたことがありますが、ファンタジーって何だかいいですね。