ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

鎌倉の休日2

2014-03-28 13:16:11 | 旅のこと

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鶴岡八幡宮近くの川喜多映画記念館前にて。 戦後間もなくから、洋画を沢山輸入し、日本映画も海外に広く紹介するなど、尽力された文化人川喜多夫妻の業績を記念に、建てられたものですが、ご覧の通り、平屋の木造の上品な建物です。中に入ってみると、一転してモダンな空間には、映写室や配給された当時の洋画のポスターが。 ルキノ・ヴィスコンティのファンなので、「ルードヴィヒ」や「家族の肖像」のポスターがあったのは、凄くうれしい。イタリア映画「木靴の樹」や「ドイツ 青ざめた母」などタイトルだけ知っていて、見たいと昔から思っていた映画のポスターも・・・。 映画を愛し、映像文化の普及に力を注いだ人々がいたのだなあ、としばし感慨にふけっていたのだけど、この館内には私一人。外の小町通りには、人があふれかえっているのに・・・。 でも、外には、鎌倉らしい風情ある日本庭園が広がり、木のざわめきも聞こえてきそう。

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こちらは、北鎌倉の円覚寺。名高い山門であります。夏目漱石が「門」の小説にも登場させ、若き日には、座禅にも通っていたという寺。 境内の中の思いもかけぬ広大さにもびっくりしましたが、文豪がノイローゼに苦しみながら、通っていたというエピソードもうなずける風格・・・よし、もう一度「門」を読もう。


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鎌倉の休日

2014-03-28 09:47:21 | 旅のこと

鎌倉へ、旅行に行ってきました。 学生時代は、何度も行ったけれど、二十年ぶりの再訪。

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泊まった場所は、大正ロマン漂うリーズナブルなホテル。素泊まりなのですが、館内には、このように昔の情緒が感じられる、上げ下げ窓や山小屋を思わせる木造りのスペースも。

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その昔、大正の終わり、かの芥川龍之介と女流作家岡本かの子が、このホテルで顔を合わせたのだそう。 なかなか由緒深き場所なのであります。

あっ、文学的なことを言えば、小町通りの喫茶店、「イワタコーヒー」。

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ここでは、こんなスペシャルなホットケーキを出すのです。二十分以上もかけて、焼かれるホットケーキは、かりっと表面が焼けて、ボリュームのある美味しさ! こんなおいしいホットケーキが食べれるなんて!(コーヒーも、香ばしく、「ほんもの」の味がします) 絵本「ぐりとぐら「に出てくるホットケーキも、こんな味だったのでは? 

かの川端康成も、この喫茶店の常連だったそう。鶴のように痩せた、神秘的な雰囲気のする文豪がホットケーキを食べている姿を想像すると、何だかミスマッチで面白いな。

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そして、こちらは江ノ電乗り場で見た看板。この「鎌倉ものがたり」は、愛する漫画であります。ユーモラスな絵と、ほのぼのとした物語が魅力で、長年読み続けています。 ここに登場する鎌倉は現実ではないけれど、ひょいっと裏通りに滑り込んだら、こんな奇想天外なもう一つの鎌倉が、本当にあるかもしれないと思わせてくれるのです。

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あまり言われていない(?)ことですが、鎌倉はご飯がすごーく美味しい! 夜、小町通りの綺麗なうどん屋で頂いた、釜うどんと野菜の天婦羅。 天かすや小口ねぎ、しょうがのすりおろしなどが、一つの盆に丁寧に盛られ、それをつゆに入れながら、うどんを食します。そして、この天婦羅が絶品なのであります。鎌倉野菜って、よく言われるけれど、こんなにとろけるような味わいで、甘みが感じられるなんて・・・。 翌日、食べたしらすご飯というセットでも、春から解禁になるしらすの魚をごはんの上にふんわり盛ったのが、えも言われず美味しかったのが幸せでした。 鎌倉って、歴史、海と山の自然にあわせて、グルメの町でもあったのですね。

大きな一枚硝子窓ごしに、暮れなずむ通りを見やりながら、おいしい時間を過ごしました。

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