ノエルのブログ

シネマと海外文学、そしてお庭の話

愛しの老嬢ミス・マープル

2015-06-06 22:28:56 | テレビ番組
近頃、うれしいことは土曜の昼さがり、TVで「ミス・マープル」を放映していること。
ミス・マープルとはもちろん、アガサ・クリスティーの創造したオールド・ミスの名探偵であるおばあちゃま。

私は、小学生の頃から彼女のファンで、クリスティーが生んだもう一人の名探偵、ポアロなんぞより百倍も好きなほど。英国は片田舎セント・メアリ・ミードに住む、上品なピンク色の頬をした老婦人ジェイン・マープル。小さくて、弱々しく、可愛らしいばあさんのように見えて、ただものではない! 警察も手を焼く難事件を、たちどころに解決してのけるのだが、その謎解きのヒントが村で聞いたゴシップというのが、何だか面白いと思いません?

実は、マープル、上品な箱入りばあさんのように見えて、その頭の中には、村の人たちのスキャンダルやゴシップが、きっちりと詰まっており、犯人像も、かつての知り合いに類似した点を分析し、割りだすという「高度」(?)な捜査法を駆使するのである。
この、ゴシップ好きというところ――原作者のクリスティーの複雑でちょっぴり底意地の悪い性格がうかがえそう。

そして、TVという映像の特権をかりて、視覚化される英国の田園の風景と、マープルの住むコテージの素敵さにはため息が出そう。彼女が住む家の前には、紫色のフリージアか何かを思わせる花々がたわわに垂れ下がり、グラジオラス、アイリス、ジギタリスといった花が色とりどりに咲き誇り、まるで夢に出てくる風景のよう。う~ん、私もこんな家に住んで、庭を見ながら、のんびりと紅茶やスコーンを楽しむ午後を過ごしたいもの。 こんな家は、英国ではまだ見ることができるのかもしれないけど、マープルが生活し、彼女が息づく空間は、もう「古き良き英国」として、遠い郷愁の中にしか存在しないに違いない。

TVで、マープルが可愛らしい帽子をちょこんとかぶり、チャーミングな笑顔をふりまきながら、その実、目をピカリと光らせて、人間の醜さ・残酷さを見逃さないさまを見るのは、痛快そのもの。年を取ったら、ミス・マープルのような婆さんになるのをめざすのも、面白そうでごわす。

P.S ネットで検索したら、何とセント・メアリ・ミード発の洋服ブランド「ジェーン・マープル」というものがあるらしい。どんな洋服あつかってるの? まさか、1930年代のオールド・ミスをイメージしたもの? こんなお洋服着る女性は、結婚できないのでは?(お前が言うか?)
コメント

小さな温室より

2015-06-06 22:11:43 | ガーデニング
ガーデンも、いつの間にか初夏に向かって移行中。
ノエル葡萄小屋の中でも、葡萄がすくすく育っておりまする。
ああ、いいねえ~。この緑のつぶつぶ。秋の訪れと共に、口にできる瞬間が楽しみ。(注:うちの犬達も、この葡萄が大好きで、シーズン中は、小屋の中に入って来て、さっとかすめていくの)
この葡萄――マスカット・オブ・アレキサンドリアという高貴なお名前があって、翡翠色の実が太陽に輝くさまは、うっとりしそうなほど。
たわわなマスカットが、上から無数のランプのようにぶらさがっている小屋の中で、お茶会するのも楽しそうだわん。

おまけ。ガーデンの片隅で、くつろぐノエル。土の上にじかに寝そべるって、気持ちよさそう…
コメント