すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

Real ・ Face・・・

2008-10-25 23:04:34 | 小説
前書きです。

春ツアーのパンフを見たときに覚えた違和感。それは、ジャニショの写真を見たときに、はっきりと判りました。
右手に巻かれた包帯。
私の中に、今もなお、澱のように、わだかまっているもの。

これは、私の気を落ち着かせるためだけの、
納得させるためだけの、お話です。

ごめんなさい。

続きで、本編です。
1つ、ライブを終えるたび、オレは何度も無意識のうちに繰り返す。

これでいいんだ、間違ってないんだ、
オレの行く道は、やっぱり、ここなんだ、と。

焦りと不安と、戸惑いだらけだった昨日も、
暗闇でしかなかった明日も、

あの、スポットライトと歓声に包まれた2時間半が打ち消してくれる。

季節が、春から秋に変わってしまうまでの間、
考えもしなかった数のライブをさせてもらえて、
そのたび、たくさんの声と笑顔に支えてもらえた。

憧れでしかなかった、夢でしかなかった場所にも立った。

一瞬やったけど、本当のオレらに、戻れもした。

やっぱり間違いはなかったんだと、あのときも思った。

せやけど・・・

ツアーのラストにオレを包んだ、あの感情を、オレはまだ、覚えてる。

笑顔になれなかったラスト、
笑顔を作ることすら、できなかった自分。

正直でありたい、嘘だけはつきたくないと言い続けた自分が、
まんま、素のオレが、そこにいた。

あのときから、オレは何を学んだんやろう。

新たな年を迎えて、また始まるツアー。
オレ自身も成長してなきゃいけないはずやのに。

オレは、一体・・・・・・?

考えるたんびに、
右手に刻んだ古い傷痕が、熱を帯びる気がした。

オレは、いつまで、この傷痕に縛られていくのだろう。

隠すのを止めてから、もう、2年が過ぎようとしてる。

あれを外したときも、いろいろあって。

いまだに、どのグラビア見ても、右手が写ってることは、ない。
たとえ写っていたとしても、きれいに修正してあるし。

第一、ポーズをとるオレにしたって、
なんの気なしに、右手が写らんようにかまえてる。


それで、ええんか?


この傷を刻んだ、あの頃の自分に、
何度も何度も、繰り返し尋ねた。

この傷こそが、
この先のオレを、縛り続けはしないのか・・・?

今だって、オレは忘れてない。

この傷を入れたときに、
何を思い、何を感じ、何に傷つき、何を悩み、
そして、
何を誓ったのか。

たとえ、この傷があっても、なくても。

ここに刻んだ、という事実だけが重要で、

表に見えている、この傷は、
もう、その役目を終えているんじゃないか。


だから。


これは、オレの決意表明みたいなもんや。

この傷、
消したる。

消さんでも、堂々と見せたらええって、思われるかもしらんけど。
完全に、きれいには、ならんのかもしらんけど。

ここから、また、新しいオレが始まるってこと、
わかってもらえるかな。

大丈夫やんな。

今までだって、これからだって、
きっと、応援してくれる人には、伝わるはずやんな。



ああ、そうか。



誰に伝わらんでも、
自分さえ、わかってたらええねや。

リアル・・・って、きっと、
そういうことやから。




          FIN.