本日やってきたYou&Jの会報とともに、安田君の主演舞台が決定したとの案内が。
いいなあ、いいなあ、お仕事があって。すばる君は、ないのかしら?
今度こそ、娘を行かせてあげたいなあ。
詳細が待ち遠しいわ。
さて、今回も、妄想小説のUPです。
前書きです。
妄想の種は、過日のレコメンの、亮ちゃん生電話時のすばる君の発言と、
ポポロ12月号の、右手を差し出している小さなカットです。
ここのところ、勝手に動き出しちゃってる感のある舞音ちゃんですが、
これも、既婚者ならではの、妄想なのかも。
続きで、本編です。
久しぶりのお休みの日。
朝から自室に籠もっていた彼が、昼すぎになって、ようやく顔を見せた。
「ごめん、うるさかった?」
私は私で、機嫌の悪い舞音をなだめながら家事をしていたのに、
おそろしく不機嫌そうな顔の彼を見て、
思わず、謝っていた。
「んー・・・」
言ったまま、彼はリビングのソファに身体を投げ出すと、
クッションを抱えて、寝る体勢だ。
さっきまで、わけもなく、ぐずぐず泣いては癇癪を起こしていた舞音は、
彼の姿が見えた途端、
手にしていたおもちゃを投げ捨てて、彼に近寄っていく。
「あ、あかん! パパ、寝んねやって・・・」
私が止めるより早く、舞音はソファによじ登り、
「パーパ?」
彼にめがけて、ダイブする。
「うッ・・・! ちょっ・・・何すんねん!!」
不意打ちをくらって、彼がマジ顔で怒る。
彼の剣幕にビックリした舞音は、一瞬、息を止め、
すぐに、大泣きになってしまった。
「あーあ・・・」
私はため息をつく。
舞音が、朝からぐずぐず言ってた理由を、私は知ってる。
彼が家にいるのに、ずっと、顔を見せなかったからだ。
普段から仕事の忙しい彼は、舞音と顔を合わせることが少ない。
たいていは、寝付いたとこの舞音の寝顔を見るだけだ。
たまに、お昼寝が長かったり、時間がずれたりして、
舞音が起きてる夜には、
これでもかっていうくらい、二人でくっつきあってじゃれている。
舞音はパパが大スキで、
パパも舞音が可愛くて仕方がない。
ふたりとも、淋しがりで、甘えたがりやから、ね。
なのに、今日は。
朝からお家にパパがいる気配がするのに、顔を見せない。
パパのお部屋は入っちゃダメって言われてるから、
行こうともしないけど、
でも、中にいるなってことは、
物音がしたり、かすかに鳴るギターの音で分かるらしい。
パパがいるのに、
一緒に遊びたいのに、
姿が見えない。
それがどうしてなのかは分からなくても、
舞音なりに、パパに出てきてほしくて、
朝から小っちゃい頭で考えたんだよね。
おもちゃ箱ひっくり返してみたり、
突然、TVの音、大きくしたり、
普段なら絶対しないようなイタズラして、私に怒られてみたり。
「どないしてん、何してんねん、舞音おいで」
って言って、パパが抱っこしてくれるの、待ってたんだよね。
なのに、やっと顔みせたパパは、
舞音を見もせんと、ソファに寝転んでしまったから、
振り向いてほしくて、強硬手段に出たってわけ。
まぁ、でも、舞音?
いくらあんたが月齢のわりに小柄でも、
不意打ちダイブは、ちょっとパパが気の毒かなぁ。
パパの身体、細いねんから、折れたり怪我したりしたら大変やねんで。
「ちょお、舞音、黙らせて。
今、せっかく言葉出そうやったのに、飛んでしもうた」
私は仕方なく、舞音を抱き上げる。
のけぞって抵抗する舞音。
そりゃ、そうやんな。
抱っこしてほしい相手はパパなんやから、
ママに抱っこされたって、泣き止むどころか、火に油やわ。
「うぇ・・・うぇん・・・、パ、パァ、うッ、ひッ・・・ひっく」
私の腕の中から落ちそうなくらい大暴れの舞音。
「な、舞音、お散歩行こ。公園行って、ブランコしよ?
ついでに、お買い物も行こう。お外、気持ちええよ?」
舞音に言い聞かせてる振りで、その実、彼にも聞こえるように、
ちょっと大げさなくらい声をはりあげた。
せやって、放っといたら、お休みの日に一歩も外に出ないくらいのひきこもりさんやし。
新しい曲の詞、
言葉が出んときに、狭い家の中におったって、しゃあないやん。
外に出たら、ちょっとは気分も変わるん違うかなあ。
いらんお世話かなあ。
お気に入りのピンクの帽子かぶせて、
ちっちゃいジュースとお菓子とハンカチ入れた、虹色のリュック背負わせて、
真っ赤なお靴、履かせた頃には、
舞音も、ちょっとおとなしくなった。
泣き疲れたんか、
泣いてもあかんと思ったんか、
変に素直に、されるがままの状態や。
涙でぐしょぐしょの顔を、濡れたタオルで拭いてやったら、
ものごっつ、怖い顔で、こっち睨んでる。
舞音、その目、パパそっくりやねんけど。
ママ、何もしてへんやん。
ママを睨むんは、お門違いやと思うわ。
「行ってきまーす」
彼に聞こえるように、
玄関からリビングに向かって声をかけた。
でも、返事は返ってこんかった。
静かになった部屋。
俺はソファに身体を投げ出したまま、目を閉じていた。
頭の中に飛び交う、様々な思いと単語を紡いで、詞にする作業は、嫌いじゃない。
すんなり、苦もなく、吐き出すように出てくるときもあれば、
どんだけ頭をひねっても、ばらばらな単語が点在するだけで、
一向に形にならん時もある。
今日は後者や。
どっかで、なんかが引っかかってる。
それが何かが分からんくて、妙にイライラすんねん。
と、突然、家の電話が着信を告げた。
無視して放っといたら、留守電に切り替わった。
『何ィ、おらんのォ? 舞音ちゃーん、ばァばやでぇ』
けたたましい声は、聞き覚えのある声やった。
俺は、慌てて受話器を取る。
「オカン!?」
後編へ続く
いいなあ、いいなあ、お仕事があって。すばる君は、ないのかしら?
今度こそ、娘を行かせてあげたいなあ。
詳細が待ち遠しいわ。
さて、今回も、妄想小説のUPです。
前書きです。
妄想の種は、過日のレコメンの、亮ちゃん生電話時のすばる君の発言と、
ポポロ12月号の、右手を差し出している小さなカットです。
ここのところ、勝手に動き出しちゃってる感のある舞音ちゃんですが、
これも、既婚者ならではの、妄想なのかも。
続きで、本編です。
久しぶりのお休みの日。
朝から自室に籠もっていた彼が、昼すぎになって、ようやく顔を見せた。
「ごめん、うるさかった?」
私は私で、機嫌の悪い舞音をなだめながら家事をしていたのに、
おそろしく不機嫌そうな顔の彼を見て、
思わず、謝っていた。
「んー・・・」
言ったまま、彼はリビングのソファに身体を投げ出すと、
クッションを抱えて、寝る体勢だ。
さっきまで、わけもなく、ぐずぐず泣いては癇癪を起こしていた舞音は、
彼の姿が見えた途端、
手にしていたおもちゃを投げ捨てて、彼に近寄っていく。
「あ、あかん! パパ、寝んねやって・・・」
私が止めるより早く、舞音はソファによじ登り、
「パーパ?」
彼にめがけて、ダイブする。
「うッ・・・! ちょっ・・・何すんねん!!」
不意打ちをくらって、彼がマジ顔で怒る。
彼の剣幕にビックリした舞音は、一瞬、息を止め、
すぐに、大泣きになってしまった。
「あーあ・・・」
私はため息をつく。
舞音が、朝からぐずぐず言ってた理由を、私は知ってる。
彼が家にいるのに、ずっと、顔を見せなかったからだ。
普段から仕事の忙しい彼は、舞音と顔を合わせることが少ない。
たいていは、寝付いたとこの舞音の寝顔を見るだけだ。
たまに、お昼寝が長かったり、時間がずれたりして、
舞音が起きてる夜には、
これでもかっていうくらい、二人でくっつきあってじゃれている。
舞音はパパが大スキで、
パパも舞音が可愛くて仕方がない。
ふたりとも、淋しがりで、甘えたがりやから、ね。
なのに、今日は。
朝からお家にパパがいる気配がするのに、顔を見せない。
パパのお部屋は入っちゃダメって言われてるから、
行こうともしないけど、
でも、中にいるなってことは、
物音がしたり、かすかに鳴るギターの音で分かるらしい。
パパがいるのに、
一緒に遊びたいのに、
姿が見えない。
それがどうしてなのかは分からなくても、
舞音なりに、パパに出てきてほしくて、
朝から小っちゃい頭で考えたんだよね。
おもちゃ箱ひっくり返してみたり、
突然、TVの音、大きくしたり、
普段なら絶対しないようなイタズラして、私に怒られてみたり。
「どないしてん、何してんねん、舞音おいで」
って言って、パパが抱っこしてくれるの、待ってたんだよね。
なのに、やっと顔みせたパパは、
舞音を見もせんと、ソファに寝転んでしまったから、
振り向いてほしくて、強硬手段に出たってわけ。
まぁ、でも、舞音?
いくらあんたが月齢のわりに小柄でも、
不意打ちダイブは、ちょっとパパが気の毒かなぁ。
パパの身体、細いねんから、折れたり怪我したりしたら大変やねんで。
「ちょお、舞音、黙らせて。
今、せっかく言葉出そうやったのに、飛んでしもうた」
私は仕方なく、舞音を抱き上げる。
のけぞって抵抗する舞音。
そりゃ、そうやんな。
抱っこしてほしい相手はパパなんやから、
ママに抱っこされたって、泣き止むどころか、火に油やわ。
「うぇ・・・うぇん・・・、パ、パァ、うッ、ひッ・・・ひっく」
私の腕の中から落ちそうなくらい大暴れの舞音。
「な、舞音、お散歩行こ。公園行って、ブランコしよ?
ついでに、お買い物も行こう。お外、気持ちええよ?」
舞音に言い聞かせてる振りで、その実、彼にも聞こえるように、
ちょっと大げさなくらい声をはりあげた。
せやって、放っといたら、お休みの日に一歩も外に出ないくらいのひきこもりさんやし。
新しい曲の詞、
言葉が出んときに、狭い家の中におったって、しゃあないやん。
外に出たら、ちょっとは気分も変わるん違うかなあ。
いらんお世話かなあ。
お気に入りのピンクの帽子かぶせて、
ちっちゃいジュースとお菓子とハンカチ入れた、虹色のリュック背負わせて、
真っ赤なお靴、履かせた頃には、
舞音も、ちょっとおとなしくなった。
泣き疲れたんか、
泣いてもあかんと思ったんか、
変に素直に、されるがままの状態や。
涙でぐしょぐしょの顔を、濡れたタオルで拭いてやったら、
ものごっつ、怖い顔で、こっち睨んでる。
舞音、その目、パパそっくりやねんけど。
ママ、何もしてへんやん。
ママを睨むんは、お門違いやと思うわ。
「行ってきまーす」
彼に聞こえるように、
玄関からリビングに向かって声をかけた。
でも、返事は返ってこんかった。
静かになった部屋。
俺はソファに身体を投げ出したまま、目を閉じていた。
頭の中に飛び交う、様々な思いと単語を紡いで、詞にする作業は、嫌いじゃない。
すんなり、苦もなく、吐き出すように出てくるときもあれば、
どんだけ頭をひねっても、ばらばらな単語が点在するだけで、
一向に形にならん時もある。
今日は後者や。
どっかで、なんかが引っかかってる。
それが何かが分からんくて、妙にイライラすんねん。
と、突然、家の電話が着信を告げた。
無視して放っといたら、留守電に切り替わった。
『何ィ、おらんのォ? 舞音ちゃーん、ばァばやでぇ』
けたたましい声は、聞き覚えのある声やった。
俺は、慌てて受話器を取る。
「オカン!?」
後編へ続く