すばるに恋して∞に堕ちて

新たに。また1から始めてみようかと。

ちょこっと幸せ vol.10

2011-01-15 22:30:40 | 幸せのカケラ
センター試験一日目。

大きなトラブルもなく、娘たちが帰って来ました。

手ごたえ云々を話題にすることもなく、
長女は開口一番、今朝がた来た「あなたとJさん」からのメールについてを早口に私に伝え、
次女は、会場までの道で沢山の携帯カイロをもらったことを報告し、
三女は、あっさりしたもので、靴に入れたカイロが冷たくなったことを愚痴りました。

それはもう、
普段の彼女らが帰宅した時と、まったく同じ様子でした。

駅までのお迎えは、長男がしてくれたので、
私は部屋を暖め、お風呂を沸かし、お夕飯の仕上げをして、
いつも通りに。

外は雨混じりの雪が降り、
明日のお天気も心配になるところだし、
彼女らの手ごたえも、母としては気になるところだったりするけれど。

それはそれ。

帰宅した彼女らが、いつもどおりだったことに、ほっと胸をなでおろした母です。

安心したので、夕食後、「デカワンコ」を観ながら、本日のティータイムにしました。

寒い冬の日、
ほっこりティータイムに、何を飲みますか?

珈琲、紅茶。
ココア、それとも日本茶?

ここのところ、私はこんなものを飲んでます。



甘酒です。

本格的には、自分で作ったことがないので、
レトルトの、お鍋に中身を入れて、お水でのばして作るタイプの甘酒ですが(笑)

これを、
お水じゃなくって、低脂肪乳で溶いたものが好きです。

そこに、こんなものをひとひら落として。



お砂糖付きの乾燥しょうが。

紅茶やヨーグルトに入れても美味しいとパッケージに書いてありますが、
私は、ホットミルクやはちみつ湯に入れたりもします。

市販の甘酒は、なかなかに甘味が強いです。
好みの味のものには、なかなか行き当たりません。

毎年大晦日に、近くの神社で甘酒のふるまいがありますが、
作り手が毎年違うので(お当番が毎年交代するため)、
「当たり!」と思う年は、稀です(笑)

だったら自分で作りなさい、ってことでしょうが。

こうじから作るのは、結構手間ですよね。たぶん。
酒粕から作るのは、分量の加減が難しい気がして、手を出してません。

どなたか、上手な作り方、御存じありません?







湯けむりにかすむ星 STORY.番外編 

2011-01-15 10:07:33 | レンジャー

レンジャーへの、返信代わりに。
下書きなしの、カケラをひとつ。

いつものような練り直しもなく、浮かんだままの原石です。
ありきたりの妄想ですが、

レンジャーを温泉へ連れて行ってあげようかな、と(笑)

お付き合いください。



愛しい人へ。



切り取られた濃い群青をかすませて、湯気がのぼる。
かすかに淡い、たよりない星の光が、見え隠れする。

竹の樋から、間断なく流れ落ちる湯の音だけが、二人の間に横たわる。

都会の喧騒から離れた温泉宿の、ひっそりとした露天の家族風呂。

彼と、彼女に、
それは、久しぶりに訪れたささやかな温もり。

言葉もなく、ただ見上げた空が、あるだけの夜。

「なんか、こんなゆっくりすんの、久しぶりやわ」

すくった湯で顔を濡らしたあと、彼が言った。

「年々、忙しなってくもんなぁ」

「そうだね」

彼の横顔を見つめながら、彼女はこの一年を振り返る。
こうして、二人で温泉に来れるなんて、思ってもなかったほどの忙しさの中に、彼はいたのだ。

「もうちょい、こっち、きたら」

「いいよ、別に」

「何恥ずかしがってんねん。ええやん、ほかに人がおるわけちゃうし」

確かに、ここの露天風呂は家族風呂だから、鍵をかけて使用中の札をかけたら、
他人が入って来る心配も、時間を気にする心配もない。

そっと、彼女は湯面を揺らしながら、彼の隣りに移動する。

ぴたん。

しずくが天井から落ちて、彼女の肩に落ちた。

「イヤッ」

彼女は身をすくめて、「冷たいッ」と小声で叫び、
湯の辺りだけを覆う簡素な板葺きの屋根を、見上げた。

その横顔が、ほんのり上気して、
透明な薄紅に染まっているのを、彼は、ぼんやりと見つめていた。

「なに?なにか、ついてる?」

気付いた彼女が彼に問いかける。

「綺麗やなぁ、思うて」

「やだ、何言ってるの」

「いや、ほんまやて」

彼は彼女の頬に手を伸ばした。

「こんなに綺麗なピンク、見たことあらへん」

「ちょっと・・・」

彼の手を遮りながら、彼女がはにかんだ。

「触るなんて、反則」

きょとん、と彼。

「なんでなん。ええやん、ほっぺた触るぐらい」

「恥ずかしいでしょ」

「俺らしか、おらへんぞ」

「だから、恥ずかしいんでしょ」

ふいっと背を向けた彼女。

「・・・・・・・・・だから

「何?声、小さくて聞こえへんぞ」

ざばッと湯を散らして、彼が彼女の顔をのぞきこむ。

「言いたいことは、はっきり言いや」

「ん、もう! ばか」

「誰がばかやねん。てか、あかん、ばかって言われると傷つくわ」

「ごめん」

「いやいや、そんな真剣に受け止めんでもええけど」

彼は、苦笑った。

「で?なんて言うたん?」

「・・・二人きりだから」

「ん?」

「あなたと二人きりだから!恥ずかしいの!!」

くしゃっと表情を崩した彼女。

「ばぁか、今さら」

彼は、彼女の額に、口づけた。

「こんなんで恥ずかしがっててどないするん。今から・・・」

「え?」

「本番・・・」

「馬鹿!」

ビシャッと、手で湯を払って、彼の顔にかける。

「うわッ」
「もうッ!」

一瞬の、静寂。

「あかん~~~~。傷ついたー。立ちなおれん~~~」

彼は、そのまま湯の中へ仰向けに身体を沈めていく。

「あ、イヤ、ウソ・・・」

慌てた彼女が咄嗟に彼の手をつかむ。
掴んだのと同時にバランスを崩して、彼女自身も湯の中に倒れ込んだ。

激しい湯音が、狭い空間から夜空へと響きわたる。

「ぶはッ」
「いやーん」

顔を見合わせて、笑いだす二人。

「あはは、何してんねん、俺ら」
「あん、髪、濡れちゃったぁ・・・」

「おんなじ濡れるんやったら、もっと」

「もっと、なに?」

「言わせる? 聞きたい?」

「言わなくてもいい」

「なんでぇ?」

「考えてること、一緒だから」

彼の目じりに、やさしい皺が寄った。

「やった!」

こぶしを握って喜ぶ彼の姿は、まるで、

「子供みたい・・・」

他愛のない、戯れの時間。

彼が欲しかったのは、こんな何気ない「普通」だったのかもしれない。



絶え間なく上る湯気にかすんで、
遠く、濃い空の彼方で、星がひとつ、流れた。



Fin.

実をいうと。
書き始めたのが夜中になったので、途中、オトナなシーンに突入しそうになって、
いかんいかんと、慌てて筆を置きました(笑)
オトナなシーンは、そのまま夢の中に持ち込んで。
朝になって、曇ってるけど明るいお外の風景を見ながら、軌道修正(笑)
彼に届けたい「普通」にしてみました。

おそまつ。