巷間噂に上っていた、徳州会理事長徳田虎雄→亀井静香→石原慎太郎から猪瀬直樹と引き継がれて、カネの流れはやはり切れていなかった。434万票を集めて圧勝して都知事になった猪瀬直樹、2020年の東京オリンピック招致にも成功して鼻息が荒く、人を小バカにした態度で上から目線だった。その猪瀬が苦し紛れの記者会見を開いたが終始シドロモドロの言い訳に終わった。オリンピック招致のプレゼンで東京都は資金潤沢だから自前で出来るとタンカを切っていたが猪瀬知事の裏金庫にも5.000万円のゲンナマが帯封したまま寝ていた。担保、金利、返済期限なし、借用書の宛名は不明のカネだ。衆院議員徳田毅に知事選用として猪瀬は1億円を軍資金として用立ててくれと要望したが、虎雄が倅の毅に5.000万円にしろと値切らせて、足が付かぬように衆院議員会館で渡せと命令されて毅が直接、議員会館に訪れた猪瀬に渡したとバラした。東京地検特捜部による徳州会グループの強制捜査で発覚した。猪瀬の記者会見によると「都知事選1ヶ月前に徳田虎雄を訪問、都知事選の支援をお願いした。選挙は初めてなので自分の貯金だけで足りるか不明だったので借用した」徳州会が東京都での集票能力がある筈はなく、支援=カネ、は誰にでも判る話しだ。この2時間後、再度記者会見して「選挙用の借金ではなかった、個人的に借りた。1月に返そうと思ったが、妻の死と、オリンピック招致など多忙で、返却が遅くなってしまった」と前言を翻した。9月に地検特捜部が徳州会選挙買収事件に着手してから、猪瀬は慌てて返している。猪瀬が裏金だと認識していたのは明白だろう。選挙用では公職選挙法の選挙運動費用報告書や政治資金収支報告書にも記載してないので同法に触れると判断したからだ。誰から借りたかの問いにも、相手に聞けば判ると、逃げていたが徳田毅議員本人からと認め、受領場所はどこかの問いに曖昧な答弁、議員宿舎ではないかと問われるとそうかも知れぬ、とこれもとぼけた。誰が返しに行ったかの問いに秘書が返却したと答えている。普段の記者会見ではポケットに片手を突っ込みながら、気に入らぬと記者を怒鳴りつける猪瀬も、さすがに態度を変えて、慎重に言葉を選びながら答えていた。オリンピック招致で世界中に流れた滝川クリステルの日本語『オモテナシ』だが、調べて見れば何の事はない『表がなくて、裏があった』ではお話にならぬ。資金力を誇る徳州会=『特臭怪』は、与野党を問わず国会議員、地方議員、地方の首長などに資金提供を行っていたと噂されている。汚点続きだった東京地検特捜部が今回の徳州会の手入れは虎雄の腹心中の腹心、徳州会事務総長だった能宗氏が懲戒解雇されて暴露した『能宗メモ』がある。どこまで捜査が政界に及ぶか、今後の進展を見守る。それにしても周章狼狽して、目が泳いでいる猪瀬都知事の口から出る、その場凌ぎの責任回避の言い訳にならぬ言い訳は見苦しい限りだった。