保健所がおこなっている新型コロナウイルス感染症の”積極的疫学調査”を埼玉県が縮小させたことに対して、県から草加市への通知内容や対応状況を調査しました。
縮小の経緯については
毎日新聞の報道(8月7日付)に詳しく書かれています。同報道によると「新型コロナウイルスの感染拡大を受け、埼玉県は6日、保健所が感染経路や濃厚接触者を調べる「積極的疫学調査」の一部を一時的に同日から取りやめたと発表した。感染者の急増で業務が逼迫(ひっぱく)しているため。」としています。また、「県によると、積極的疫学調査は入院調整に必要な項目や陽性者との接触歴などに絞る。行動履歴の調査はやめ、濃厚接触者の調査は同居人、家族、高齢者施設や病院などに限定。」したとのことです。
⇓草加市議会事務局を通じて行った調査事項に対する、草加市健康福祉部の回答文書(8月18日付)です。
■もうすぐ2週間経つのに正式な通知文は「埼玉県で現在作成中」のスピード感
調査項目の1点目として、”積極的疫学調査”の一部縮小に係る対応について、埼玉県や保健所からの通知等があったのかを調べました。
市の回答では、「草加保健所の担当者から8月10日付けで、積極的疫学調査の一部縮小について、電話及びメールで連絡がありました。正式な通知文は、埼玉県で現在作成中と伺っております。」とのことです。
とてもシビアな内容であるにもかかわらず正式な通知文書などが示されていませんでした。全保健所からすべての自治体に同様の内容を電話やメールをおこなうよう埼玉県から指示があったのかなども気になります。※訂正
さらに、報道では6日から縮小(一部とりやめ)したにもかかわらず、そこから12日間も経過した現時点(8月18日時点)で「正式な通知文は、埼玉県で現在作成中と伺っております」って…
※訂正
8月20日付けで、草加市健康福祉部のコロナ対策課から「回答文書に誤りがありました」との連絡がありました。同課によると、改めて庁内を確認したところ埼玉県からの通知が別の部署に届いていたとのことです。(下参照)
県からの正式な通知文はないとしていましたが、正確には「あった」ことになります。市役所の情報共有やコロナ対応が本当に大丈夫なのか?、かなり重大な間違いです。また、通知文がすでに来ていたのであれば、「正式な通知文は、埼玉県で現在作成中と伺っております」という回答も「えっ?」となります。丁寧な説明が求められます。
・草加市に届いていた県からの通知文書
■ガイドラインなど自治体に示されず
回答文書で示された通り調査対象が、 陽性者の同居人と高齢者施設、障害者施設、病院に絞られたことで、市町村としては小中学校や児童クラブ、保育園などの対応が気になります。
そこで、2点目の調査項目として、一部縮小後の対応に係る国・埼玉県等からのガイドライン等の有無があったのかどうか。有った場合は当該資料を要求しました。ところが、市の回答では「現時点ではありません。」でした…えっ!?
草加市は、来週8月27日から2学期が始まります。保育園や児童クラブは今日も子どもたちを受け入れています。各施設が独自判断で濃厚接触者を判断できるはずもなく、休園・学級閉鎖などの判断も施設ごとにバラバラになればそれこそ混乱が拡大しかねません。市町村ごとに独自判断となってもしかりです。埼玉県が今回の縮小に対する明確なガイドラインを早急に示す必要があります。
なお、現在、草加市教育委員会と草加市子ども未来部に対しても”積極的疫学調査”の縮小に対する対応方針などを調査中です。
※8月21日に赤字部分を訂正・加筆しました。当記事の題名も「コロナ疫学調査縮小 県から自治体に正式通知もガイドラインも示されず」から「コロナ疫学調査縮小 県から自治体にガイドラインなど示されず」に訂正しました。