昔、ちょこっと死にかけたことがある。
なぜそうなったかを話すのは非常に恥ずかしい。
いつもはだらしないくせに
ふすまの鴨居の上を掃除しようと思い立ったことから始まる。
私の背が低かったら、あっさり脚立を使っただろう。
届きそうで届かない部分を拭くために
取りいだしましたるはお子様イス。
低いお子様イスの上に立ち、バランスをとるために
夫のベルトをぶら下げてつかまったまではよかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/9b/d0ba0f2a4aed0bc39b11d8bb8fa14314.jpg)
どうしてそうなったのかはわからないのだが
とにかくイスは転がり、私はベルトで首つり状態になった。
そのまま意識を失う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/9c/d99dbb70170ef004dd4530d43fb5f6ed.jpg)
気がついたら、私はゴツゴツした粗い岩肌の
山らしき場所を群衆に混じって歩いていた。
一人じゃないことに安堵しながら、無言で進む。
周囲は日本人だけだったと思うが、圧倒的に老人多数。
ぽっかりと大きな洞窟…鍾乳洞の入り口みたいな所へ着くと
みんなゾロゾロと穴の中に入って行く。
穴の中はやはり岩々していたが、意外にハイテクなのだ。
目に前に大きなスクリーンがあって
映画みたいなものが見られる。
やはり岩で出来たお立ち台みたいなのに立つと
自動的に上映される仕組みらしい。
お立ち台に立つ人は次々に代わり
今は、さっきまで並んで歩いていたおじいさんだ。
映画は一瞬の上映時間で、お立ち台に立った人の生涯をたどる。
目にも止まらぬ早さなのに、なぜか内容は一同に理解される。
おじいさんは、生まれたり、結婚したり、戦争に行ったりしている。
それを眺めているのは、我々岩山ツアーの面々だけではない。
見えないのだが、それが元々岩山ハイテクアジトを
所有する方々であることだけはわかるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/af/a30f00e5fa00440d01a691d20170321f.jpg)
あっという間に順番が来て、私がお立ち台に立つ。
誰に促されたのでもない…ただ自分の順番だとわかるのだが
これが相当恥ずかしい。
まず真っ赤な、母の産道を明るいほうへ向かって進むところから始まる。
いいことも、悪いことも、思ったことも、全部上映される。
しかも、いいことは早回し
悪いこと、恥ずかしいことはスローになる。
近所のおばさんの愛読書「婦人倶楽部」を盗み読みしている私。
猫に無理矢理首輪をつけて、犬として扱おうとしている私。
子供の夜泣きがうるさくて、殺意を感じる私。
しきりに誰かの悪口を言っている私。
ストーリーはどんどん進んで
お子様イスに立ち、ベルトにつかまったところまで来た。
イスが傾き、ベルトの輪っかに顔を突っ込んだところで終了だ。
わ~!と思ったら意識が遠のき、今度はお花畑。
見渡す限り、足首くらいの高さの花が一面に咲き乱れ
とてもいいにおいがする。
私はひとりぼっちになっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/11/4445589df24c55225c35881b22f8455b.jpg)
少し先に赤い小さなタイコ橋がかかっている。
とってもラブリ~。
橋の向こう側も、やはり美しい花がいっぱい咲いている。
花の地平線だ。
橋に近づいてみると、その下を浅い川が流れていた。
水は澄んでおり、川面から丸い小石が見える。
橋を渡って向こう岸へ行ってみてもいいのだが
私はどこかでわかっている。
それが迎えが来ないと渡れない橋だということを。
待てど暮らせど誰も来ない。
しかたがないので、花の中に寝転んだ。
目が覚めたら自分の家のユカだった。
首がしまったからなのか、落下して打ったからなのか
すごく頭が痛い。
牛革の太いベルトが、刃物で切ったように真っ二つになって
鴨居からぶら下がっていた。
そのまま起きて、風呂に入って寝た。
もしも「あの世」みたいな所があり、そこへ行ったら
戸惑わなくても大丈夫。
そこでのスケジュールは、自分のどこかにセットされているみたい。
それだけ。ははは~。
なぜそうなったかを話すのは非常に恥ずかしい。
いつもはだらしないくせに
ふすまの鴨居の上を掃除しようと思い立ったことから始まる。
私の背が低かったら、あっさり脚立を使っただろう。
届きそうで届かない部分を拭くために
取りいだしましたるはお子様イス。
低いお子様イスの上に立ち、バランスをとるために
夫のベルトをぶら下げてつかまったまではよかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/9b/d0ba0f2a4aed0bc39b11d8bb8fa14314.jpg)
どうしてそうなったのかはわからないのだが
とにかくイスは転がり、私はベルトで首つり状態になった。
そのまま意識を失う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/9c/d99dbb70170ef004dd4530d43fb5f6ed.jpg)
気がついたら、私はゴツゴツした粗い岩肌の
山らしき場所を群衆に混じって歩いていた。
一人じゃないことに安堵しながら、無言で進む。
周囲は日本人だけだったと思うが、圧倒的に老人多数。
ぽっかりと大きな洞窟…鍾乳洞の入り口みたいな所へ着くと
みんなゾロゾロと穴の中に入って行く。
穴の中はやはり岩々していたが、意外にハイテクなのだ。
目に前に大きなスクリーンがあって
映画みたいなものが見られる。
やはり岩で出来たお立ち台みたいなのに立つと
自動的に上映される仕組みらしい。
お立ち台に立つ人は次々に代わり
今は、さっきまで並んで歩いていたおじいさんだ。
映画は一瞬の上映時間で、お立ち台に立った人の生涯をたどる。
目にも止まらぬ早さなのに、なぜか内容は一同に理解される。
おじいさんは、生まれたり、結婚したり、戦争に行ったりしている。
それを眺めているのは、我々岩山ツアーの面々だけではない。
見えないのだが、それが元々岩山ハイテクアジトを
所有する方々であることだけはわかるのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/af/a30f00e5fa00440d01a691d20170321f.jpg)
あっという間に順番が来て、私がお立ち台に立つ。
誰に促されたのでもない…ただ自分の順番だとわかるのだが
これが相当恥ずかしい。
まず真っ赤な、母の産道を明るいほうへ向かって進むところから始まる。
いいことも、悪いことも、思ったことも、全部上映される。
しかも、いいことは早回し
悪いこと、恥ずかしいことはスローになる。
近所のおばさんの愛読書「婦人倶楽部」を盗み読みしている私。
猫に無理矢理首輪をつけて、犬として扱おうとしている私。
子供の夜泣きがうるさくて、殺意を感じる私。
しきりに誰かの悪口を言っている私。
ストーリーはどんどん進んで
お子様イスに立ち、ベルトにつかまったところまで来た。
イスが傾き、ベルトの輪っかに顔を突っ込んだところで終了だ。
わ~!と思ったら意識が遠のき、今度はお花畑。
見渡す限り、足首くらいの高さの花が一面に咲き乱れ
とてもいいにおいがする。
私はひとりぼっちになっていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/11/4445589df24c55225c35881b22f8455b.jpg)
少し先に赤い小さなタイコ橋がかかっている。
とってもラブリ~。
橋の向こう側も、やはり美しい花がいっぱい咲いている。
花の地平線だ。
橋に近づいてみると、その下を浅い川が流れていた。
水は澄んでおり、川面から丸い小石が見える。
橋を渡って向こう岸へ行ってみてもいいのだが
私はどこかでわかっている。
それが迎えが来ないと渡れない橋だということを。
待てど暮らせど誰も来ない。
しかたがないので、花の中に寝転んだ。
目が覚めたら自分の家のユカだった。
首がしまったからなのか、落下して打ったからなのか
すごく頭が痛い。
牛革の太いベルトが、刃物で切ったように真っ二つになって
鴨居からぶら下がっていた。
そのまま起きて、風呂に入って寝た。
もしも「あの世」みたいな所があり、そこへ行ったら
戸惑わなくても大丈夫。
そこでのスケジュールは、自分のどこかにセットされているみたい。
それだけ。ははは~。