殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

ドク子

2009年05月30日 14時42分09秒 | みりこんぐらし
このところ、病み上がりの義母のために

両親の食事作りに通っているのはご存知であろう。


夕方から夜までいるので、実家の近所に住む人々と会う機会も多くなる。

昨夜も「ピンポ~ン」と来客。

出て見ると、あれ懐かしや…

こちらで暮らしていた頃、同じ子供会だったママ友

“ドク子”ではないか!


       「久しぶり~!」

「元気だった~?」


ドク子の末っ子と、うちの長男が同級生なのだ。

少なくとも、私より10才以上年上には違いないのだが

年齢を絶対に言わないので、はっきりしたことはわからない。

小柄なのをいいことに(小柄には不必要に反応する私よ…)

若作りしているので、一応おなさけで年齢不詳ということにしておいてやる。


ドク子は昔からアクティブだ。

今は非常勤として教育機関の雑用をしながら

地域のいろんな役員をこなし

スポーツや趣味の会などを主宰している。


今日は婦人会…今は女性会というらしい…の行事の案内を持って来た。

が、用件もそこそこに、姑の悪口や近所の噂などを

機関銃のようにしゃべる。


      「お姑さん、まだ…生きてらしたの?」

「生きてるわよ~!死ぬもんですか!ずっと生きるつもりよっ!」

この人、女だけど言葉がオネェなのだ。


老眼が進んじゃって…方面の話になったので、私もお上手を言う。

      「あら、外見はちっとも変わらないよ。

       若くなったんじゃないの?」

「えぇ~?そう~?」

ドク子は頬に手を当て、嬉しそうだ。

年寄りにこれくらいは言って喜ばせてやらないと。


「あなたも変わってない…」

ドク子は、剃りすぎて辰吉○一郎みたいな眉毛をクイッと上げて

私の顔をしげしげとのぞき込む。


「…とお返しに言ってあげたいけど、さすがに小ジワが出たみたいね!」

ちょうど門まで出て来た義父が、プッと吹き出す。


じゃあね~!会えてうれしかったわ~!

ドク子はちっちゃい体でひらりと自転車にまたがり

手を振りながら帰って行った。


これがドク子なのだ。

本名はトク子なのだが、ひそかにドク子と呼んでいる。

発言に毒があることでは、ちょっとした有名人である。

しかし、悪気は無いので腹は立たない。


嫁姑関係が壮絶を極めることでも、昔から有名人である。

一見そんな姑さんには見えないので、真偽のほどはわからないが

家にいたくないのでいろんな役を進んで引き受けるのだと

公言してはばからない。


いつも忙しそうに、西へ東へ走り回り

地元の活性化に余念がない。

少々まき散らす毒よりも、地域貢献のほうがまさっているのだ。

まったく、いさぎよい。

その後、ひさびさの毒にしびれつつ

顔のマッサージに励んだ私である。
コメント (10)
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