解釈改憲により、集団的自衛権の行使を容認することになった。
各紙の社説を読んだり、テレビでの(いささか採取サンプルに問題のある)街頭インタビューなどを見ていると、反対派の意見は次の三つにまとめられると思った。
1. 議論を尽くしていない。
2. 勝手に憲法の解釈を変えるな。
3. 他国の戦争に巻き込まれる。
1と2については、じゃあ議論を尽くして憲法を改正すれば、反対派は納得するのだろうか、と言いたい。
戦争アレルギーで頑なに平和とか話し合えばとか唱える人たちは、納得しないだろう。民主党議員やテレビ朝日に出演するような人は、ハードルが高すぎて(2/3の議員票と、過半数の国民票)憲法改正なんて無理だと思っている。
つまり、最初から集団的自衛権の行使を認める気はない。首相の強引なやり方に反発しているだけであり、「議論を尽くして」「解釈改憲ではなく憲法改正」という意見には大して意味はない。
というわけで、問題は3だ。これについては、すぐに答えが出ない。
首相は、よその国に行って戦争するようなことはない、と、とりあえず言い切った。解釈改憲は、汚いずるいと言われながらも政府が決めた憲法の意味なわけで、今回のも、それはそれで今後長い間尊重されるんじゃないかと思う。また、そうじゃないと、それこそ時の政権が簡単に解釈を変えてもいいのか、ということになる。当分の間、今日の首相の会見の「自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない」が、自衛隊の活動を抑制することになるだろう。
自分の息子、あるいは娘の夫が戦地に行って血を流すかもしれない、という意見を目にしたが、そういう心配をする人の息子や婿は自衛隊員ではないだろう。自衛隊は志願制である。自衛権云々の前に、それなりに覚悟を決めて入隊している。極端に言うと、好きで自衛隊員をやっている。そういう人たちだけが血を流すわけで、反対派の人にはダメージはないはず。
ちなみに、僕の父は陸自の自衛官だった。事務方だけど。
あと、9条のおかげで一人も殺さず殺されず、とか書いてる新聞があったが、竹島をめぐる第一大邦丸事件で日本人が一人銃撃で亡くなってるよね。
徴兵制になるんじゃないかと心配する人がいるが、今の軍隊は高度な訓練を受けた技術者集団であり、徴兵されたアマチュアなんて役に立たないので、それはない。アメリカだって志願制である。韓国は北朝鮮と国境を陸上で接しているため、国土面積に比してかなり多い陸軍兵力が必要なので徴兵制なだけだ。あと、僕は15年後くらいから戦争は無人機同士の戦いがメインになると思っている。
首相は、抑止力という言葉を何度も使っていた。現代の軍事力は、使わないけど使える状態にあることで、相手の軍事行動を抑えて存在意義を持つ。伝説のレンジャー教官の山口一等陸佐が、レンジャーについて「我々は、誰も見ていないところで、営々と抜かない刀を磨いている」と言っていた。だが、日本の刀は抜けば切れ味鋭いが、抜けないように糊付けされている。それが、多少は抜きやすくなったわけで、今までよりは抑止力がアップするだろう。
僕が一番怖いと思うのは、まだ行使の容認を決めただけで、関連法の整備はこれからということだ。関連法や交戦規程が整う前に尖閣諸島に中国の「漁船」が大挙侵入、上陸して簡易住居なんか建てて「実効支配」を始めたら…? 産経と読売は、早く改憲しないから攻め込まれたといい、朝日と毎日は解釈改憲で刺激したから攻め込まれたといい、また揉めるんだろうな…。
各紙の社説を読んだり、テレビでの(いささか採取サンプルに問題のある)街頭インタビューなどを見ていると、反対派の意見は次の三つにまとめられると思った。
1. 議論を尽くしていない。
2. 勝手に憲法の解釈を変えるな。
3. 他国の戦争に巻き込まれる。
1と2については、じゃあ議論を尽くして憲法を改正すれば、反対派は納得するのだろうか、と言いたい。
戦争アレルギーで頑なに平和とか話し合えばとか唱える人たちは、納得しないだろう。民主党議員やテレビ朝日に出演するような人は、ハードルが高すぎて(2/3の議員票と、過半数の国民票)憲法改正なんて無理だと思っている。
つまり、最初から集団的自衛権の行使を認める気はない。首相の強引なやり方に反発しているだけであり、「議論を尽くして」「解釈改憲ではなく憲法改正」という意見には大して意味はない。
というわけで、問題は3だ。これについては、すぐに答えが出ない。
首相は、よその国に行って戦争するようなことはない、と、とりあえず言い切った。解釈改憲は、汚いずるいと言われながらも政府が決めた憲法の意味なわけで、今回のも、それはそれで今後長い間尊重されるんじゃないかと思う。また、そうじゃないと、それこそ時の政権が簡単に解釈を変えてもいいのか、ということになる。当分の間、今日の首相の会見の「自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない」が、自衛隊の活動を抑制することになるだろう。
自分の息子、あるいは娘の夫が戦地に行って血を流すかもしれない、という意見を目にしたが、そういう心配をする人の息子や婿は自衛隊員ではないだろう。自衛隊は志願制である。自衛権云々の前に、それなりに覚悟を決めて入隊している。極端に言うと、好きで自衛隊員をやっている。そういう人たちだけが血を流すわけで、反対派の人にはダメージはないはず。
ちなみに、僕の父は陸自の自衛官だった。事務方だけど。
あと、9条のおかげで一人も殺さず殺されず、とか書いてる新聞があったが、竹島をめぐる第一大邦丸事件で日本人が一人銃撃で亡くなってるよね。
徴兵制になるんじゃないかと心配する人がいるが、今の軍隊は高度な訓練を受けた技術者集団であり、徴兵されたアマチュアなんて役に立たないので、それはない。アメリカだって志願制である。韓国は北朝鮮と国境を陸上で接しているため、国土面積に比してかなり多い陸軍兵力が必要なので徴兵制なだけだ。あと、僕は15年後くらいから戦争は無人機同士の戦いがメインになると思っている。
首相は、抑止力という言葉を何度も使っていた。現代の軍事力は、使わないけど使える状態にあることで、相手の軍事行動を抑えて存在意義を持つ。伝説のレンジャー教官の山口一等陸佐が、レンジャーについて「我々は、誰も見ていないところで、営々と抜かない刀を磨いている」と言っていた。だが、日本の刀は抜けば切れ味鋭いが、抜けないように糊付けされている。それが、多少は抜きやすくなったわけで、今までよりは抑止力がアップするだろう。
僕が一番怖いと思うのは、まだ行使の容認を決めただけで、関連法の整備はこれからということだ。関連法や交戦規程が整う前に尖閣諸島に中国の「漁船」が大挙侵入、上陸して簡易住居なんか建てて「実効支配」を始めたら…? 産経と読売は、早く改憲しないから攻め込まれたといい、朝日と毎日は解釈改憲で刺激したから攻め込まれたといい、また揉めるんだろうな…。