若女将の修行日記

『写真館の若女将・成長記録』のはずが、いつのまにか『若女将のおとぼけな記録』になっていました。

『You've got mail』

2010-07-29 20:05:50 | 映画と本
今朝、撮影に行く前にNew Yorkのことをブログに書いたら、この映画が観たくて観たくてたまらなくなりました。好都合なことに、今夜の徹夜撮影に向け二代目が仮眠に入ったので、マツモト写真の営業時間中だったのに観ちゃった、映画『You've got mail(ユーガットメール)』。

映画館で観て、ビデオ買って、擦り切れちゃって、DVD買って、二代目に「一体何回観るのぉ?」と呆れられて、尚まだ観ているこの映画。一言で言っちゃえば、インターネットで知り合った男女の恋愛映画なんだけど、私にとっては本当に大切な映画です。

まず、冒頭のシーンでメグ・ライアンと一緒にニューヨークの街を歩いている気分を味わいます。ハッピーな気持ちで街を闊歩する彼女と気持ちが同化して、彼女の口角がキュっと上がるご機嫌な表情が移ってくるような感じ。むか~し、1人で初めてニューヨークを歩いたときの、わくわく感が見事に蘇ってくるのです。

「専業主婦になります!」と高らかに宣言して銀行を辞めたくせに、10ヶ月で再就職を目指してしまった私。再就職が決まった面接の帰り道に、ちょっと自分らしくないワンピースを一枚買って、その足でこの映画を観にいきました。だから多分、「新しい生活が始まるぞぉーー」な気持ちが、この映画とセットになっているのかもしれない。とにかく機嫌が良くなるんです、この映画を観れば、どんなにガクンと落ちてる日でも。


クスッとさせるオッシャレー♪な場面や台詞が目白押しで、割と軽めなラブコメ的立ち位置な映画だけど、「自分の生き方は臆病なだけじゃないか」とか「ココロを喜びで満たす人がいたら、その人こそ!」とか、意外と「うんうん、わかるわかる」と深くうなずいちゃう場面もいっぱいあるんだよ。

この映画の中で、彼女が愛読書を彼に薦めるんだけど、それは彼には「うへぇ」な作品だったりして、どんなに完璧な相手でも、好きなモノが必ず共通とは限らない。だから、別に私は「この映画を観てない人は勿体無い!本っ当にイイ映画だから、絶対観て!!」とは言いません。が、もし「お盆休み、暇だな~。映画でも借りるかな~」と思った人は、どうですか(と、結局お薦めしちゃったよ)。

続きは本編で

2010-05-31 09:35:33 | 映画と本
二代目は常々、『続きはWEBで』方式が嫌いだと言っています(→『二代目の修行日記』)。特に、テレビのCMでその方式が出てくると、「この15秒、30秒で勝負しろよー。ズルイよ、コレ~!」と怒っています(彼はCMに一つの芸術性を感じるらしく、とても熱心に、作品としていつも見ているようです)。

私が最近感じているストレスは逆の感じのこと。

映画の予告編で、あまりにもハイライトシーンを見せ過ぎる傾向にあるような気がしています。昔もそうだったのに、気付かなかっただけなのか、自分が歳をとって偏屈になってきたのか分かりませんが。

映画本編を見終ったときに、「結局、予告編で見た部分がこの映画の一番いいシーンの全てだったな」と思ってしまうこと(例:『崖の上のポニョ』、『プラダを着た悪魔』、『WALL・E(ウォーリー)』)や、「よく作った人間が許可したな」と驚くほど、ストーリーを教えちゃうこと(例:『Sex and the City I』のとき、「え!?Mr.Bigは結婚式当日に裏切って4人でバカンスに行っちゃうんだ」と思っちゃったから。ま、結局観たけども)等が多いような気がして。

勿論、魅力を振りまかなくては映画本編を観ようとしない訳ですから、仕方が無いのかもしれませんが、もっと『続きは本編で』的なふくみがあって、「どーなの?どーなるの?早くみたーーい!」といった想像力を掻き立てる予告編がいいんだよな、私は。

昨夜観たのは『天使にラブソングを……』

2010-05-13 09:53:38 | 映画と本
基本的に、気に入ると同じ映画を何回も何回も観ます。でも時々、すごく感動したのにそれ以来二度と近寄っていない、という映画もあります。

ワールドカップのニュースを見る度に思い出してしまう映画『サラフィナ』。南アのアパルトヘイト解放がテーマの、ミュージカル映画です。OL時代に、何か他の人気映画を観ようと出掛けたのに立ち見だと言われて、こちらに変更したような記憶があります。ブロードウェイでロングランしていたミュージカルの映画化だそうですが、前半の躍動感あふれる音楽とダンスの感動と、後半の悲惨な現実描写の悲しみで、それこそ胸がいっぱいになってしまって、自分の許容範囲を超えてしまいました(帰りの地下鉄の駅の風景ばかり覚えている)。それ以来一回も近づいていなくて、ウーピー・ゴールドバーグが主演の先生役だったとさっきWikipediaで知ったくらいですが、ココロの映画房にしっかり留まっている作品です。


先日も友人と話したのですが、「泣け!泣け!おら~泣け!」という映画は苦手です。意味不明な場面で涙が出る私は、わざわざ泣くと分かっている悲しそうな映画は最初から観ません。勿論、泣く映画の中には悲しいだけではなく、悲しさの先にある感動とか、別れの先にある幸せとか、何やらかんやらあるのでしょうけれど、泣くことにくたびれてしまうような映画もあるのは事実で。私の中でその代表作は『ゴースト』。まだものすごく若かった時に観たせいもあり、「そんなぁ。つらすぎる……」と暫く情緒不安定になるほど悲しかったのです。それ以来、あの悲しさと再会する勇気はありません(この映画のデミ・ムーアが一番好きなんですが)。

昨夜、ムービーチャンネルを観ていたら二代目があきれ返った口調で「一体、その映画、何回目!?」と尋ねてきました。うーーん。20回くらい……?。あの小さいシスターが教会で歌い上げるシーンを見ると、たまんないの。鳥肌たつんだよ。



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二代目のブログ 『二代目の修行日記』
http://ameblo.jp/d-76/


もう新作は出ない

2010-04-27 09:20:02 | 映画と本
エリック・シーガルさん(アメリカの作家)が亡くなったという記事を見付けました。若い頃、『クラス』という小説が大好きで、その一冊だけで、私の記憶に刻み付けられた作家でした(ただ、今回ちゃんと調べてみたら、作家というより脚本家の仕事の方が有名な感じ。『ある愛の詩』とか、ビートルズの『イエロー・サブマリン』とか)。

亡くなった記事を読んで改めてシーガルさんの別の作品を殆ど読んでいないことに気付きました。お気に入りの作家が出来ると、基本的に全作品網羅しようとする私としては珍しいこと。映画『ある愛の詩』の原作『Love Story』を読んで、「うー、ちょっと私の好みと違う~」と手放してしまった記憶が残っています。勿体無かったかな、今度改めて探してみようかな。

ファンだった対象の方が亡くなると、「あぁ、もう新作が出ない」と亡くなられた寂しさよりも、ファンとしての欲望の方が先に立ってしまいます。失礼な思考だなと思う反面、もしかしたらご本人にとっては直接知らない人間からの最高の弔意だと感じて下さるかな、と勝手に思ったりもして。

数日前に遠藤周作さんの未発表作品が見付かって一般公開するという記事を見ました。同じ頃、歌手の忌野清志郎さんが学生時代に恋人に贈った未発表曲が見付かったという記事もありました。ご本人たちはあくまでも発表しないままにした作品。ファンとしては読んでみたい・聴いてみたい垂涎の一品であったとしても、そこはそっとしておくのが仁義なんじゃないかな、と思ったりもしています。天国で「おいおいー、それは公開しないでくれよぉ」と弱りきっている狐狸庵先生が目に浮かぶような気がする……。


ワルツ

2010-04-10 14:36:29 | 映画と本
いま合唱団ではワルツを練習しています。

疲れている時でも、ワルツの三拍子を歌っているとだんだん華やいだ気持ちになってきて、帰り道には踊りだしたくなります。要するにご機嫌になれます。出来ることなら、この延長で家に帰ったら二代目とワルツでも踊りたいところですが、日本人である我々は、こういうズンチャッチャ・ダンスはちょっと苦手かな、と思います。実際わたしも一回も経験ないし。

よく映画などで目にする、男の人と女の人がなにやらお互い気になっている雰囲気になってまいりましたよ→すると、手に手をとって踊りだしましたよ!的な場面。特にダンスホールな訳でもなく、自宅のリビングルームだったり、街角だったりして、それは妙に憧れるシーンだったりします。私の外国イメージの中で一番好きな部分のひとつ。

ここ1年で10回くらい観てしまった映画があります。『きみに読む物語』というその映画は、別に怖いシーンもないし、気持ち悪いシーンもないから(ラブシーンはちょっとあるから、小さいお子さんと観るとちょっと恥ずかしいかもしれない)、是非映画が好きな人には観て欲しい、ので、あらすじは書きません。ただ、その映画の中で、何回か上記のようなダンスシーンが出てくるのですが、とにかくその場面が大好きで。

メロメロ・トロトロじゃーん、と言われるかもしれませんが、いいんです。(私が)映画を観る目的のひとつは、『メロメロ・トロトロしたい』だから!

僕たちは間に合ったのだろうか

2010-02-06 15:58:23 | 映画と本
仕事をしながらボヤ~っとラジオを聴いていたら、HYというグループの曲が流れていました。『おばぁ』は好きな人と結ばれることをあきらめ、生きるために戦火の中を逃げのびた……というような内容(全くコトバは合ってません。一回聴いただけなので)。

その曲を聴いていて、本棚を振り返りました。

少し前に本屋さんでつい手にとってしまい「この本を読むのはツライに違いないが、買うのは使命だな」と思って買った本、『最後の言葉』(重松清著)。戦場で書かれて、家族に届いていなかった手紙や手帳を、重松さんが取材し、遺族に届けようと試みた記録のようです(まだ読んでいないので、間違っていたらゴメンなさい)。「僕たちは間に合ったのだろうか」という副題で、逆に日本にもまだ戦争の傷を持った人々が沢山いることを思い知り、その割には、戦争について無関心過ぎる自分を反省したのです。

なのに、本棚の『まだ読んでない棚』で、新しく入ってきた本たちにどんどん先を越されてしまうこの本を、私は一体いつになったら読むのでしょうか。


『冒険野郎 マクガイバー』

2010-01-31 14:23:48 | 映画と本
あのメール不精な二代目が、私の友人AとTとメールをバシバシ交換した秋の夜、話題は『冒険野郎マクガイバー』についてでした。

最近、やっと仕事が落ち着いて「僕のお正月がきた」という二代目が、嬉々としてマクガイバーDVDシリーズを観ています(友人Aが大人買いした)。


二代目と私は、読むモノ、聴くモノ、見るモノ……全く趣味が合わないのですが、映画もその一つ。暇なときはレンタルDVDを借りに行ったりしますが、二代目が一本、私が一本借りて、別々に観ます。付き合い始めの頃は一緒に『ミッション・インポッシブル』等を観に映画館へ行きましたが、地下鉄の駅に着いてもまだ震えが治まらない私を見て、一緒に楽しむのはあきらめたようです。

マクガイバーも『冒険野郎』って言うくらいだから、とても私が見られる類のハナシではないだろうと思っていたら、いやぁ、突っ込みどころ満載のコメディでした。危険極まりないところに一人で挑んでくる割には、準備が悪いんだ、このヒーローは。「なんで爆破された研究所の床に大量のチョコレートが落ちているんだよっ(そしてそのチョコレートを使って硫酸のタンクを修理するマクガイバー)」ナドと突っ込みながら、珍しく夫婦揃って鑑賞してます。

白石一文氏のこと

2010-01-17 10:59:29 | 映画と本
白石一文さんが直木賞を受賞されました。祝インタビューで初めてお顔を拝見しました。文章から想像して、もっと気取った気障な雰囲気の人かと思っていたら、何だかとてもイイ人そう。繊細そうだなーという印象は想像通りでしたが(まぁ、物書きの人はかなりの確率で繊細でしょうけど)。

冒頭で、若い女性のインタビュアーが「おめでとうございまぁす!」と花束を渡したら、じっくり花束を眺め、小さい声で何か女性に言いました。多分「キレイですね」とか「ありがとう」とか?こういった場面での花束って異常なくらい巨大だったり、派手だったりするけど、大抵その「花束」って存在だけが大切で、その後も「花束がいっぱいあるから、誰か持って帰って!」みたいな運命をたどるのかな、と思いがちですが、彼はちゃんと持って帰ってくれそう。

私が初めての作家の作品にトライするとき、①「今日は知らない作家を買う」と決めて本屋に行く、②ページ数がある程度多い本を見つける、③裏表紙のあらすじを読む、④1ページ目をとにかく読んでみて(立ち読み御免)スラ~と入ってきたら買う(理由は説明できないが相性の悪い文章というのは必ずあり、そういう場合は最後まで本にのめりこめないものです)、という流儀を守っています。白石一文さんは、その流儀の中で見付けた割とお気に入りの作家の一人。まだ全ての作品を読んだ訳ではなかったので、これから読破してみようかな。大抵の本屋さんが出版社の枠を超えて1箇所に集めてくれるので、買い易い時でもありますから。「直木賞受賞!白石一文コーナー!」から買うミーハーっぽい恥ずかしさにはこの際目をつぶり。

しかし、直木賞直木賞と言いつつ、実はその名前の由来となった直木三十五という人の作品を1冊も読んだことないな。「読書好きと言う割には、意外と名作を読んでない」私らしい。

『運命の人』

2009-08-19 11:55:16 | 映画と本
山崎豊子著『運命の人』(全4巻)(あらすじはコチラ)を読みました。『白い巨塔』も『大地の子』も、読もうかなーと本屋さんで立ち止まるだけで、今まで手を出していなかったので、初山崎作品でした。

主題は、外務密約を隠そうとする国家と、それを国民に知らせようとする政治部新聞記者の争いが軸なのだと思いますが、私はちょうど読んだ時期が8月だったこともあり、戦争が沖縄に残した爪あとを改めて考える機会になりました。


8月15日朝刊の読者欄は、戦争を経験した人々の投稿でした。読むに堪えないツライ内容ばかりですが、この日だけは平和な時間に生きる今の人間として義務だと思って、必ずすべて読むようにしています。

実際に戦争に傷つけられた人による核廃絶の意見は重いです。核の抑止力……というコトバは、人間の愚かさと弱さの象徴だと、突きつけられた気がしました。いつになったらヒトは、もう少し賢い平和のバランスをとれるようになるのだろう?

映画『マンマ・ミーア』

2009-08-17 11:52:50 | 映画と本
店番している時や、合唱の練習後に立ち寄るラーメン屋さんなどで、自分の頭の中に流れている音楽に合わせて私が踊り出すと「……変だよ、止めた方がいいよ…」と二代目が控えめに注意します。「あぁ、そうね、そうね」といつも渋々止めていましたが、確かに会話の途中でいきなり歌ったり踊ったりするのは変かも。昨夜、『マンマ・ミーア!』を見て、妙に反省しちゃいました。これから本気で気をつけます。


『サウンド・オブ・ミュージック』とか『メリーポピンズ』とかの、クラシックは大好きなのですが、最近のミュージカル映画は何故かカラダに沁み込んでこないです。メリル・ストリープと大勢の女性たちのダンスシーンや、007(ピアーズ・ブロスナン)の熱唱、コリン・ファースの腰振りダンスを見られただけで、充分楽しめた気もするけど。


この作品は舞台で観たいかな、やっぱり。