今年は本当に久しぶりに本命以外にチョコレートを「配って」みました。取引先や、ふだんお世話になっている方、父(もしかしたら、父に持っていったのは初めて!?)などに、ほんの10名足らずですけれど。
OL1年目のとき(20年以上前でーーす)、バブルの香りが残っていた頃で、部署は勿論のこと、所属する部活動(わたしは、野球およびサッカー部のマネージャー、テニス部、スキー部、山登り部に属しておりました……笑。明らかに属し過ぎ!)の皆さんにもチョコレートを用意するのだと、先輩方からのご指示がでました。当然、ど新人であった私は、同期じゃんけんにも負け、銀座のソニープラザに買い出しに出かけました。
あのころの、銀座のソニプラのバレンタイン直前のチョコ売り場の騒動を、あなたは知っているでしょうか?怒号飛び交う壮絶なチョコ合戦の現場で、田舎者臭抜けきらぬわたしは、右往左往……。もう涙が浮かんできて、「帰りたいよー。えーんえーん。」と、責任感だけに背中を押されて、闘い続けました。勿論、当日はやさしいおじさま方から「ありがとうね。」と喜んでいただいたはずだし、ホワイトデイには、何倍にもなって戻ってきたはずなんだけど、あのソニプラのつらかった時間だけが記憶に残って、「義理チョコなんて大嫌い!」という想いだけが残っていました。
時は流れ、今では「友ちょこ」、「ご褒美ちょこ」などと可愛いものも登場し、私の中で「義理ちょこ」と忌み嫌っていた存在も「ご挨拶ちょこ」という位置づけなのかな、と分かってきました。やっぱり、ホワイトデイというしきたりがあるので、お気遣いを頂いちゃうだろうな、と想像できる方には渡しにくく、今年も渡しそびれた方が何人もいたのですが、なんかチョコレートを渡したときの華やぐ感じ(特に相手が女子だと)が、いいなぁーって素直に思いました。来年はもっと用意しちゃおうかな、「ご挨拶ちょこ」。
そんな「ちょこ配り」の運転中に、らぶらぶ手を繋いでデート中のカップルを何組も見掛けました(あんな強風吹きすさぶ北関東のこの街ですら!)。女子が紙袋を持っているカップルだと、『でへへ。彼はあの中身が気になって仕方ないだね。』と眺め、男子が持っていると、『でへへ。もう貰ったのかい。良かったねぇ。』と眺めていました。と、そこへ丸坊主の野球部軍団が自転車で1カップルを追い抜いて行きました。『君たちにも近未来に幸あれ!!』と、これまたニヤニヤと眺めてしまうおばちゃん若女将なのでありました。