今日は気温22℃、乾燥した秋空の下での活動となりました。主に蓮の果托を刈り取り、種を集め、下草の刈り取りを行いました。
驚いたことに、まだ天昇(てんしょう)と艶陽天(えんようてん)の蕾があります! 下の写真が天昇の蕾で、この東京大学旧緑地植物実験所でつくられた品種。生命に満ち溢れています。明日には咲くでしょう。
次は艶陽天の蕾ですが、こちらも明日には咲きそうです! 魅惑的な紅蓮です。10月にハスの花が楽しめるとは「蓮の検見川」ならでは、と言えますね。
今年の夏は本当に暑い日がつづき、人間は夏バテ気味でしたが、蓮たちは元気に咲き誇りました。その成果が見本園に残された無数の果托(かたく)たちです。花が散ると、中心の花托(かたく)は果托(かたく)へと表記が変化します。
果托は緑色から、種が成長するにつれて茶色に変化していきます。
茶色の果托は、ほうっておくと下を向いて種が水面へと落下します。その前に刈り取らないと、翌年は種から交雑種の花が咲く可能性があります。蓮には繁殖方法が二つありますが、ひとつは種からで、開花中に他の蓮から受粉していれば、自然交配から新しい品種が生まれます。
この検見川のハス品種見本園では、世界の100種以上の蓮が隣り合わせに植えられています。品種が混ざらないためには、種が散乱する前に刈り取る必要があります。そうすれば蓮たちは、二つ目の繁殖方法である蓮根からのみ増えるからです。蓮根から咲く花はいわばクローンなので、系統保存は確実です。
茶色くなった果托は、風に揺れるだけで種を落とします! 熟した種は落ちる前に、人の手で振り出して処分します。蓮から見ればかわいそうで、一年間お世話をしたボランティアから見ればもったいないですが、「ハス品種見本園」である以上しかたがないです。
形の良い果托は吊るし干しして、来年の観蓮会で販売します。見本園の蓮の植え替えのための貴重な資金源となります。
種を出し切った空の果托は、インテリアや手芸につかわれます。
日が短くなり、涼しくなると、蓮のエネルギーは水中の蓮根のほうに集中します。水面の上の葉の免疫力は低下して黄色くなり、虫に食われるものも。
とは言え、まわりの草はまだまだ元気です。草刈りは春から初冬にかけての重要なメンテナンス作業です。
刈った下草の後処理も力仕事です。
女性ボランティアも力仕事に汗を流します。いつもお疲れ様です!
ロータリーの草刈り後の様子です。桜の木と秋の空。
そばの彼岸花がまだ咲いていました。
事務所の横のホトトギスです。
活動報告は以上です。
(担当: れい)