大賀ハスのふるさとの会

東京大学からハス見本園の管理を引き継ぎ、観蓮会の開催・ ハス文化の継承と普及を行うため組織されたボランティア団体です

2020年9月26日 花園公民館で大賀ハスの講演会が開催されました

2020-09-27 20:25:19 | ハス
千葉市花園公民館の2020年度主催事業として、『大賀ハス2000年を超えた夢とロマン ~大賀ハスがつなぐ過去と現在~』と題した講演会が9月26日土曜日に開催されました。講師は大賀ハスのふるさとの会顧問である南定雄先生です。公民館の南川館長のお話では、募集定員20名のところ多数の申し込みがあったそうですが、会場のコロナ対策のため25名を超えた段階で受付をお断りされたそうです。私たち大賀ハスのふるさとの会のボランティアもお手伝いさせていただきました。

スピーカーの演台には南先生が持参された、成田空港に置いてあるハスの中でまだ咲いている大きな花と蕾を飾りました。艶陽天です。この品種は花が咲く期間が長く、今年の気候のせいもあって、まだこのとおり元気に咲いています。あと蕾が数本残っているそうです。

この講座は二部構成で、第一部は南先生による大賀博士のハスの種探しから始まる歴史的なこと、世界におけるハスの分布の様子などのお話。第二部では千葉市が主催しているハス守りさん養成講座第1期生で、大賀ハスのふるさとの会の会員でもある大槻さんが、ハスの花の咲き方など、旧東京大学農学部付属緑地植物実験所のハス見本園にある品種を例に取り上げてお話をされました。大槻さんが開講の前に配布資料の説明をしています。


第一部の南先生のレクチャーは、1951年に大賀ハスの種が発掘された時の模様から、その後の発芽と開花、さらにそのことがアメリカの『LIFE』誌に取り上げられるなど、世界中に驚きを持って知らされたこと、などが続きました。大賀博士がハスの実を探していた時期は、すでに68歳でいらっしゃったことも語られ、受講生がほとんどそのような年代の方々であることに触れて、興味があればまだいろいろなことができるともおっしゃっていました。
その他世界における花ハスの分布、生育地、種類など、また南先生ご自身が訪問して見てこられた中国のハスなども紹介されました。中国の品種のスライドです。


休憩後、第二部で大槻さんがハスの花の4日間の様子、花弁の数による分類、花の大きさによる分類などの説明をされました。


講演会会場の後側には、ハス祭りで使用するハスの説明パネルを置かせていただきました。また会場の廊下をお借りして、ハスのポストカードも置かせていただきました。お買上くださいました皆様、どうもありがとうございました。


毎年3月ごろに開催している『花ハス栽培講習会』が、今年はコロナ騒ぎのおかげで中止となりました。来年は大賀ハス発掘70周年、大賀ハスのふるさとの会発足9年目に当たります。今回の大賀ハス講演会に参加された皆さま、また関心をお寄せいただいた皆さま、どうぞ大賀ハスのふるさとの会の活動にお力添えください。よろしくお願いいたします。

(担当: えむ)




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2020年9月19日の活動報告 果托干し、枯草や水草の除去、月桂樹の切り倒しなど

2020-09-20 17:18:57 | 日記
けさは曇り、朝9時の気温は26度、湿度70%、北東の風2.2メートルで、とても過ごしやすい気候です。今日の作業は、先週採集した果托を5本ずつ束ねて竿に干す;芝刈り後の枯草処理およびハスのマスに生えている水草などを根元から引き抜いて処分する;病気にやられた月桂樹を切り倒す、などです。温室付近は蜂がいるかもしれないので、注意すること、通路付近に植え付けたヒガンバナがそろそろ咲きだすので、踏まないように注意すること、などの指示が事務局からありました。

ハスの圃場はすっかり秋のムード。その中でも花が少しだけさいていました。新しく作られたマスに植わっている菊花粉です。これは果托も面白い形をしています。


菊花粉の果托です。後ろに上の写真の花が見えます。


その並びにある紅領巾です。

もう一つ、細碗碧蓮が白い清々しい花を咲かせていました。


となりに水草が元気よく茂っていますね。これは抜き取らないとハスの成長を邪魔します。もう一つ別の水草があちこちのマスの中に茂っていて、紫色のきれいな花を咲かせています。


水草を抜き取ったり、芝刈り後の枯草を集めて廃棄します。
ハスの葉もかなり黄色くなっています。


温室の中では刈り取った果托を束ねて干す作業をしています。長さも違えば果托の大きさが違うので、なかなか大変なのです。

今日は、前にもご紹介した(8月15日)千葉県立幕張総合高等学校(幕総)放送委員会の生徒さんが3名取材に来られました。千葉県高等学校文化連盟の放送コンテストに、大賀ハスのふるさとの会の活動を紹介した作品で参加しようとしているそうで、今後もたびたび取材に来られるそうです。いつでもご協力しますので、頑張ってくださいね。

こちらは病気にやられた月桂樹の切り倒し作業です。幕総の生徒さんが説明を聞いています。左手前にはすでに切り倒された大きな幹が道路をふさぐように倒れています。この月桂樹は根元から数本の幹がかたまって伸びて、一本の月桂樹のようにみえていました。



チェーンソーで切り倒した幹を右手の林の方に運びます。なかなかの力仕事です。切り倒した幹からは、そこはかとなく月桂樹の香りがしていました。


果托を束ねていた時、トンボの幼虫ヤゴの抜け殻が見つかりました。かなり大きなヤゴの抜け殻でした。


ハス見本園の敷地内では、すでにカラスウリが実をつけていました。


またお彼岸の時期なので、やはりヒガンバナ(曼珠沙華)が花をつけ始めていました。


今日の活動報告は以上です。

(担当: えむ)
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2020年9月12日 臨時活動報告 果托とり

2020-09-12 17:29:10 | 日記
9月5日に引き続き、ハスの果托を刈り取るために、都合のつく会員が参加して臨時に活動することになりました。

久しぶりに涼しい曇り空。午前9時の時点では気温26.2度、湿度79パーセント、北東の風3.1メートルです。昨日まで強烈な夏の日差しがありましたが、今日は作業がしやすい気候になりました。といっても天気予報ではまもなく雨が降り出すということです。

今日の作業は、茶色くなった果托の刈り取り、芝刈り後の枯草の始末などです。

ハスはだいぶ花が少なくなりました。今日咲いている花をご紹介します。
美中紅です。爪紅のぼかし具合がなんとも言えませんね。このマスにはまだ蕾もいくつか見られました。
別の角度から撮った美中紅です。よく見ると、咲いている花の下の蕾にはトンボが止まっています。トンボの数もだいぶ少なくなりました。


天昇です。背も高く大きな花が4つも咲いています。蕾もまだ出ていますね。


今年最後の紅領巾です。


お椀のような形の花を咲かせる艶陽天です。


細碗碧蓮です。白い清楚な小型の花です。二枚目の写真をよく見ると、まだ蕾が5本ほど見られます。1週間後の活動日には咲いているでしょうか。



こちらも小型の白い花を咲かせる白君子小蓮です。名前の通りですね。


もう一つ。寿星桃という名前の、白い花を咲かせる品種です。


蝶々が大きなハスの葉裏に止まっていました。


ハスの花が終わって、果托が熟して茶色くなったものを主に刈り取ります。



マスの中ほどまで縁を渡って刈り取りに入ることもあります。でもうっかりバランスを崩すと、水の中にドボンと落ちてしまいますので、要注意!


刈り取った果托は集めて、とりあえず温室に保管しました。


会員のSさんが、「こんなのがあった」と皆さんに披露してくれたのが、下の写真です。マスの中に見つけたそうです。果托からこぼれた種が、気温が高く水温も高かったのでもう発芽したようです。紙コップに入れました。このままどのように成長してくれるでしょうか。


下の写真はハス見本園のロータリーを事務所側から見ています。中央奥に大きな木が茶色く枯れています。2枚目はアップで撮った写真です。

これは月桂樹です。大賀ハスのふるさとの会の顧問である南定雄先生によると、害虫にやられたのだとか。今年はあちこちの月桂樹がこのように茶色く枯れているそうです。ハス見本園に隣接している東京大学大学院薬学系研究科附属薬用植物園の建物脇の月桂樹も半分ぐらい茶色く枯れていました。

そこかしこに秋の気配が…。正面入り口から坂を上がってくる道ですが、このように木の実やイチョウの実が落ちていました。



今日の報告は以上です。
担当: (えむ)



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2020年9月5日 開花状況 まだ10種ほどの蓮の花が咲いています

2020-09-06 16:34:24 | ハス
100種以上の蓮が咲く見本園の全体としての花期は、6月中旬から9月下旬までとなります。初夏から初秋まで美しい様々な蓮の花たちを楽しむことができます。

現在咲いている花の一部をご紹介します。
まずは、知里の曙です。見本園の貴重な品種です。
細腕碧蓮です。中型の品種で、吸い込まれるようなピンク色の条線が特徴です。



美中紅です。同じピンク色でも爪紅のグラデーションが美しい蓮です。

情熱的な真紅の花を咲かせる艶陽天です。

悠然と咲く桃白条です。
最盛期の天昇です。蕾がまだいっぱいあります。大賀ハスのふるさとの会の顧問・南定雄先生がつくった品種で、ここ以外ではあまり見ることができません。葉より高く、天に向かって咲く花であることから「天昇」と名付けられました。

花弁の先端が緑がかった漢蓮(かんれん)です。花弁数50−100枚の白の八重咲種。見本園の漢蓮は花径10センチ前後ですが、一般的には花径が3−8センチと小さく、日本では最小品種の部類です。
漢蓮は健全な果実をつけることがほとんどありません。雌ずいは異形になったり葉に変化することが多く、雄ずいもほとんどないためです。そのせいか、花つきはとても良い方です。
かわいらしい菊花粉です。

紅領巾です。まだ蕾がいっぱい控えています。

千弁連です。


ちなみに。2019年の赤ちゃんの名前に関する調査「たまひよ名前ランキング」の男の子の一位は「蓮」(読み方はれん)だったそうです。しかも2年連続です。蓮(はす)がしっかりと根を張る植物であることから力強さを感じさせ、短く呼びやすいことも人気の理由だとか。強く美しい日本男児であふれる日本に期待しましょう!

蓮の開花状況の報告は以上です。

(担当: れい)
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2020年9月5日 活動報告 果托と種とり、倒木の除去作業

2020-09-06 14:44:55 | 日記
今日は気温31℃、湿度82%の晴れの中での活動となりました。厳しい残暑の中、蓮たちは元気に咲き続けています。見本園では果托と種の採取、葉の切り取り、そして台風シーズンに向けてテントの撤去と倒木の除去作業などを行いました。

蓮は花弁があるうちは中心部のことを「花托」と書き、花弁が落ちると「果托」と書きます。読み方が同じなので紛らわしいのですが、花後の果托について少しご紹介します。

シャワーヘッドのような緑色の果托は茶色に変わりながら種がどんどん大きくなります。多数の穴が開き、その中で一つずつ種が成長していきます。
その過程で、こんな寿星桃の人面果托がありました! 下の穴からは歯のような2つの種が見えています。会員S氏が発見したものです。

種は完全に成長すると、ポロリと水中に落ちて発芽します。見本園では、品種の系統保存のために種を取り除きます。その理由は、100種以上の蓮の品種が肩を寄せ合う見本園においては、複数の品種が交雑してできた種である可能性があるからです。
下の写真の種は毎葉蓮の果托からとりました。でも純粋な毎葉蓮の種であるかは不明です。その種から咲いた花や葉の形容からある程度わかりますが、正確にはDNA検査が必要となります。このために見本園では、すべての品種を種からではなく蓮根のみから成長させ、保存しています。


来年の観蓮会のために蓮の葉を切り取ってハス茶にします。香葉など香りの強い品種の葉がハス茶に向いています。
咲き終わって枯れ始めた品種があれば、まだまだ蕾が出てくる品種もあります。見本園全体では、6月から9月いっぱいまで次々と花を楽しむことができます。


台風シーズンの到来に備えて、テントをしまいました。9月でも力作業は汗が吹き出しますね。男性陣、いつもお疲れ様でございます。

二週間ほど前、新たに清掃した道路に巨木が倒れ込んできました。そこで大賀ハスのふるさとの会の顧問である南定雄先生が重機とともにトラックで駆けつけてくださいました。

電動ノコギリで道をふさぐ幹を切り落としました。
なぜ半分に裂けて、倒れたのでしょうか。倒木部分は腐ってなくて、害虫や病気に冒されている様子もありません。

貴重なソメイヨシノの老木でした。
きれいなサルノコシカケも付いていました。

作業前の道路の写真です。

作業後の様子です。南先生に感謝です!

同じ道路わきには、ヤブミョウガが群生していました。白い花が涼しげです。
ヤブミョウガの黒い種です。

ジャノヒゲもいっぱい咲いていました。このあと美しい青色の実をつけます。
ジャノヒゲは、別名リュウノヒゲやネコダマ。古くはヤマスゲとも呼ばれています。

ロータリーの中心にそびえ立つ桜の根元には、カンナが。球根から育てたものです。

活動報告は以上です。

(担当: れい)
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