大川原有重 春夏秋冬

人は泣きながら生まれ幸せになる為に人間関係の修行をする。様々な思い出、経験、感動をスーツケースに入れ旅立つんだね

着物の「運命」

2010-08-17 03:35:34 | 日記
今年の夏は休み無しで働いている。昨日のお客さまのお宅で山のような着物の数々を見せて頂いた。自分自身も着物が好きで多少所有しているので価値や値段を知らないわけではないけど…とにかく驚きを通り越し卒倒しそうだった。所謂衣装部屋には数百の着物。チラッと見せて頂いたけど夏の暑さと着物の量に圧倒され、すぐにその場を離れた。仕付け糸の付いたままの着物や反物も沢山あった。珍しい着物や帯を遠目で見て、着物の「運命」について考えさせられた。一体どれだけのお金を使い購入したのかな?どうして家人は興味ないのか?色んなことが頭の中で錯綜したけど…さすがの僕もいたたまれなくなり何も考えたくなかった。考えないほうが仕事ははかどるから…自分自身の仕事の因果について考えさせられる一日だった。今着物業界は悲惨な状況。アート界と同様買い手不在でしょう。養蚕も織物も絶滅寸前の危機的な状況。日本文化の衰退がハッキリしている。僕もたまに着物を羽織るけど気分もいいし、姿勢もスゥーと伸びて気持ちがシャンとする。何よりレストランでの
応対が違うし、女性から好印象をもたれる。要するにいいことずくめ…着物は孫子の代まで引き継ぐことも可能だし、日本文化の象徴だと自分は思う。いまの着物の「運命」を考えると悲しくなる。当然僕の着物の「運命」もいづれ家族は?でしょう!要するに着物文化は知性のシンボルだから「何も考えていない」人に必要ないもの。日本の未来を嘆いても仕方ないので何とか週一回着物を羽織るように努めてみます。着物君!これからもよろしくね!僕は見捨てないよ。