沖縄のごみ問題を考える

一般廃棄物の適正な処理に対する国の施策と県の施策と市町村の施策を比較しながら「沖縄のごみ問題」を考えるブログです。

中北組合に対する沖縄県の責務を考える(その13)※問題点の検証と事務処理の適正化

2016-07-07 13:43:28 | ごみ処理計画

【読者の皆様へ】

このブログの記事は、下の画像(2つ目)にある廃棄物処理法に基づく沖縄県民の責務を果たすために沖縄県が定めた廃棄物処理計画の達成に協力することを目的としています。

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下の画像(2つ)は、法令等に基づく沖縄県と県の職員の責務を整理した資料です。このブログの管理者が沖縄県民の責務を果たすためには、沖縄県と県の職員も県と職員の責務を果たしてくれなければなりません。

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下の画像は、現在の中北組合の状況を整理した資料です。平成28年度は平成25年度に政府が閣議決定しているインフラ長寿命化行動計画の策定期限になっていますが、中北組合は沖縄県の技術的援助によって平成26年度から溶融炉を休止しています。

インフラ長寿命化行動計画の策定において重要なことは、①維持管理コストの見通しと、②更新コストの見通しを記載することになっていることです。しかし、中北組合は県の技術的援助によって現在は国の補助金を利用する権利を放棄している状態なので、県が適正な技術的援助を与えなかった場合は自主財源により既存施設の維持管理を行い、同じく自主財源により更新施設(広域施設)を整備することになってしまいます。そうなると、広域処理は白紙撤回ということになります。

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ということで、その13は中北組合に対する沖縄県の技術的援助の問題点の検証と事務処理の適正化について書きます。

その前に、下の画像をご覧下さい。

これは、その12の記事の最後にアップした中北組合に関する沖縄県の事務処理の問題点を整理した資料です。

上の資料の7と8については、明らかに不適正な事務処理なので、早急に是正する必要があります。しかし、その他の項目については国や浦添市との調整を図る必要があるのでかなりハードな事務処理になります。

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下の画像(2つ)は、平成26年3月に中北組合がごみ処理計画を改正する前に県が組合に与えた技術的援助の概要を整理した資料です。

このように、中北組合に対する沖縄県の技術的援助は、設備の処分制限期間を経過した時から更新施設を整備するときまでは、溶融炉の休止と焼却灰の委託処分を継続することができることになっています。そして、県はそのようなごみ処理を適正な処理と判断しています。

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下の画像は、中北組合と南部広域行政組合に対する焼却灰の委託処分に関する県の技術的援助の概要を整理した資料です。

このように、市町村に対する県の技術的援助は完全にWスタンダードになっています。しかも、中北組合に対する技術的援助は会計検査院や総務省が明らかに「不適正」と判断している事務処理になります。しかし、県は「適正」と判断しています。なお、南部広域行政組合に対する技術的援助は他の都道府県と同様の技術的援助であり「適正」な事務処理になります。

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下の画像は、浦添市が実施しているごみ処理の概要を整理した資料です。

市町村が行うごみ処理は、住民に対する行政サービスとして行われています。したがって、設備の処分制限期間が経過した場合であっても適正処理を継続するために長寿命化を実施することが日本の市町村、そして国や都道府県の常識になっています。浦添市もその常識に従って長寿命化を実施しています。そして、更新施設を整備するまでは既存施設の運用を継続して行く計画を策定しています。

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下の画像(2つ)は、中北組合に対する県の技術的援助国の財政的援助の関係を整理した資料です。

県は適正な処理と判断していますが、溶融炉を休止して既存施設を更新又は新たな施設を整備するまで焼却灰の委託処分を継続することは、明らかに「行政サービス」が低下する不適正な処理になります。なお、県の技術的援助によると今年度は現状のまま行動計画を策定して、地域計画を策定するときに改正することになりますが、既存施設を更新又は新たな施設を整備するまでは溶融炉を休止したまま焼却灰の委託処分を継続して行くことになります。このような不誠実かつ不公正な計画を策定している市町村に対して県は国が財政的援助を与えることができると判断していることになりますが、国は間違いなく財政的援助を拒否します。なぜなら、中北組合に財政的援助を与えた場合は他の市町村に対して処分制限期間を経過した設備の長寿命化を要請することができなくなってしまうからです。

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下の画像は、中北組合を内地の一部事務組合と想定して作成した資料です。

このように、中北組合は人口が5万人未満の市町村になるので、原則(離島等を除く)として国の補助金を利用することはできません。したがって、内地では溶融炉を整備していない市町村ということになります。そして、焼却灰の委託処分を行っている市町村ということになります。しかし、他の市町村との広域処理を前提にして最終処分場を整備する地域計画を策定すれば国の補助金を利用して広域施設を整備することができます。そして、広域施設が完成するまで焼却灰の委託処分を継続することができます。その意味では、南部広域行政組合と同じような状況になります。

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ということで、中北組合に関する沖縄県の事務処理の問題点を1つずつ見ていくことにします。

この事務処理は、中北組合に対して国が考えている一般廃棄物の適正処理(廃棄物処理法の基本方針に適合する事務処理)の継続を放棄させる事務処理になります。したがって、県は廃棄物処理法第4条第2項の規定に違反していることになります。しかし、県は「適正」と判断しています。

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この事務処理は、県が廃棄物処理法の基本方針に即して策定している廃棄物処理計画に関する中北組合との連携・協力体制を自ら解消する事務処理になります。このことは、市町村と連携・協力を図りながら諸施策を推進することを県が放棄していることになるので、この事務処理は廃棄物処理法第5条の6の規定に違反していることになります。しかし、県は「適正」と判断しています。

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県がなぜ、中北組合に対してこのような技術的援助を与えたのかは分かりませんが、前の資料にある県の技術的援助を考えると、県は法令遵守に対する考え方が他の都道府県に比べてかなり「常識ハズレ」の考え方をしていると思われます。そうでなければ市町村に対してこのような技術的援助を与えるはずがありません。なお、この技術的援助を「適正」な技術的援助とした場合は、県は県内の市町村に対して処分制限期間を経過した設備に対して長寿命化を要請する根拠を失うことになります。

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廃棄物処理法や他の法令に、設備の処分制限期間を経過した場合は基本方針の適用を除外するという規定はどこにもありません。したがって、この技術的援助は廃棄物処理法の規定に基づいて環境大臣が定めている基本方針を完全に無視していることになります。しかし、県はそれでも「適正」と判断しています。

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県は県が策定している廃棄物処理計画において、沖縄県の最終処分場の残余年数がひっ迫していることを認めています。しかし、中北組合に対する技術的援助については最終処分場の整備を要請していません。したがって、県は基本方針を完全に無視しているだけでなく、県が自ら策定している廃棄物処理計画も無視していることになります。しかし、県はこのような事務処理も「適正」と判断しています。

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このブログの管理者は、この事務処理は放置しておくと翁長県政にとって大失態になる可能性があると考えています。なぜなら、県民や国(国民)に対して不正確な情報を発信しているからです。県の職員もこの事務処理を「適正」とは判断できないはずです。したがって、県や県の職員、そして知事の信用を傷付けないように早急に「適正化」を図る必要があると考えます。なお、7の廃棄物対策の概要については県が作成しているものなので、その気になれは今日にでも修正できることになります。ただし、再発を防止する意味でも知事に不適正な事務処理があった事実を報告する必要があると考えます。

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もしかすると、県の職員は地方公務員法違反や服務規程違反を認めないかもしれません。しかし、職員が県の事務処理を「適正化」しなければ、浦添市は間違いなく広域処理を白紙撤回することになります。なぜなら、今年度中に広域処理を前提とした行動計画を策定することができなくなるからです。したがって、単独更新を前提とした行動計画を策定せざるを得ない状況になります。

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このように、県が県の技術的援助に基づいて改正した中北組合のごみ処理計画を適正なごみ処理計画と判断している場合は、沖縄県における市町村のごみ処理計画は完全に「流動化」することになります。そして、沖縄県は国の信用を失うことになります。

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下の画像(2つ)は、市町村に対する都道府県の技術的援助に関するルール(法令に基づく公式ルール)を整理した資料です。

2つ目の資料は、法令の規定と県の技術的援助の内容を整理した資料になりますが、このブログの管理者は県は決して「適正」とは言えない事務処理を行っていると判断しています。したがって、「適正化」に関する事務処理が必要になると考えています。

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下の画像(2つ)は、このブログの管理者が国民の責務と沖縄県民の役割を果たすために作成した資料になります。

県が県の事務処理を「不適正」と認めて市町村に対する技術的援助を一元化して「Wスタンダード」を解消することを本気で考えた場合は、自ずとこのような事務処理(適正化)が行われることになると考えています。

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下の画像(3つ)は、中北組合と浦添市が策定するインフラ長寿命化行動計画を想定して作成した資料です。

なお、平成27年度においては、浦添市は既に既存施設(焼却炉と溶融炉)の長寿命化を実施して、広域処理についてもごみ処理計画において課題として抽出しています。しかし、中北組合は溶融炉を休止したまま焼却炉の長寿命化も実施していません。そして、広域処理についてもごみ処理計画の課題から除外しています。

このように、中北組合も浦添市も中北組合の溶融炉の休止を継続する前提で行動計画を策することはできません。なぜなら、広域組合を設立すると中北組合の溶融炉は広域組合の既存施設になるからです。また、中北組合の溶融炉はこのブログで何度も書いてきましたが、国内で稼動している事例や長寿命化が行われている事例のない溶融炉です。そして、中北組合が溶融炉を廃止して焼却灰の資源化を外部委託する施策は、地方財政法第2条第1項の規定に違反することになります。しかし、中北組合と浦添市のごみ処理計画の調和を確保しなければ廃棄物処理法第6条第3項の規定に違反することになります。なお、行動計画と中北組合のごみ処理計画と浦添市のごみ処理計画と平成29年度に策定に着手する地域計画とは整合性を確保していなければなりません。したがって、中北組合の行動計画も廃棄物処理法の基本方針に適合していなければならないので、必然的にごみ処理計画も見直すことになります。

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下の画像(5つ)は、沖縄県が中北組合に対して適正な技術的援助を与える場合を想定して作成した資料です。

  

  中北組合と浦添市が広域処理を白紙撤回して単独処理を行う場合は、①中北組合が溶融炉を再稼動して長寿命化を行う施策や、②焼却灰の資源化を外部委託して溶融炉を廃止する施策も選択肢になる可能性があります。しかし、この①と②の施策は中北組合にとってギャンブルになります。そうなると残る選択肢は、③代替措置を講じて溶融炉を廃止して、④国の補助金を利用して焼却炉の長寿命化を行う施策しかないことになります。 ただし、「沖縄振興特別措置法」の期限(平成33年度)を考えると、平成29年度に溶融炉を廃止して、平成30年度に焼却炉の長寿命化を行わなければタイムオーバーになってしまいます。

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最後に下の画像をご覧下さい。

これは沖縄県が中北組合に関する事務処理を適正な事務処理として平成28年度において何の技術的援助も与えなかった場合を想定して整理した資料ですが、その場合は中北組合は棄物処理法の基本方針に適合するインフラ長寿命化行動計画を策定することができないことになります。

浦添市は廃棄物処理法の基本方針に適合するごみ処理計画を策定しているので、国の補助金を利用して単独更新を行うことができます。しかし、中北組合は県の技術的援助によって廃棄物処理法の基本方針に適合しないごみ処理計画を策定しています。このため、溶融炉の休止と焼却灰の委託処分を継続している状態で地域計画を策定しても環境大臣の承認を受けることはできない状態になっています。したがって、中城村と北中城村は村民から自主財源(40億円以上)を確保して既存施設の更新又は新たな施設を整備しなければならないことになります。 

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広域処理の成功を祈ります。