(後列左から)鶴亀本舗の川畑和輝さん、「ソラト」管理者の喜納功二さん(前列左から)鶴亀本舗の伊禮翔哉さん、瑞慶山良さん=沖縄市の「ソラト」
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沖縄市の就労支援B型事業所「sorato(ソラト)」でデザインの仕事をする瑞慶山良さん(25)=うるま市=がこのほど、「ボクサーパンツをデザインしたい」という夢をかなえた。沖縄県内初のボクサーパンツ専門店鶴亀本舗(宜野湾市)が協力し、「ハイサイ ゴーヤーパンツ」を2月に完成させた。瑞慶山さんは「元気になりたい日や頑張りたい日に、はいてほしい」と話している。
ゴーヤーパンツは「オバーが作るゴーヤーは栄養満点!」というイメージで作った。レゲエが好きな瑞慶山さんらしく、赤、黄色、緑のラスタカラーで南国ムードを表現した。「はくと元気が出るパンツにしたかった」という。
店との最初の打ち合わせは昨年7月。商品が届いたのはその7カ月後だ。その時の思いを瑞慶山さんは「やばい、と思った。うれしかった」と振り返る。「(例えば)孫からオジーにこのパンツをプレゼントして、笑いのきっかけにしてほしい」とも話す。
瑞慶山さんは先天性の脳性まひで、肢体不自由のため車いすで生活している。現在は週4回、「ソラト」でグラフィックデザイナーとして福祉車両用のステッカーや名刺などのデザインをしている。
瑞慶山さんは小学2年の終わり頃、鉛筆を持って絵を描くようになった。宿題用紙の裏に描いていた先生の似顔絵を褒められ、絵を描くのが好きになった。デザインは独学で学んだ。
現在はコンピューターを使ってデザインをしている。ボールのような特殊マウスを、全身を使うように操作するため、真冬でも汗をかきながら作業をする。
「ハイサイ ゴーヤーパンツ」のきっかけは2016年1月、旅行の土産で姉にもらったイチゴ柄パンツのデザインに衝撃を受けたこと。それ以降ボクサーパンツをデザインしたいと思うようになった。そのことを知ったソラトの職員が鶴亀本舗の川畑和輝さん(28)と伊禮翔哉さん(28)に連絡し、商品化が進められた。
瑞慶山さんは仕事が終わった後に自宅でパンツのデザインを考えた。夜中の1時まで作業に夢中になる日もあったという。鶴亀本舗の2人は、商品にストーリー性を持たせるようにアドバイス。デザイン案が固まり最終段階になると、配色が異なる四つのイメージをSNSに公開し、友人30人にアンケートをとってデザイン案を一つに絞った。
瑞慶山さんの口癖は「やってみたい」。さまざまなことに興味を持ち実行する性格は周りの人を引き付ける。将来はデザイン会社を作りたいという瑞慶山さん。「次はお菓子やビールのパッケージデザインをしてみたい」と、将来の目標への第一歩を踏みだした。
パンツはフリーサイズで男女兼用。税込み3500円。ソラトで購入できる。
問い合わせは(電話)098(937)2500。
(関口琴乃)