特殊な風船や気球を使った、宇宙旅行の実現を目指す岩谷技研(北海道、岩谷圭介社長)が20日ごろ、宮古島の上空で魚のベタを宇宙まで打ち上げ、映像を撮影することを計画している。岩谷技研は既に10回以上、宮古島上空で映像撮影に成功しており、2022年までに高度25キロでの有人飛行を計画する「ふうせん宇宙旅行」の第1段階として、今回初めて生物を打ち上げ、撮影を試みる。
高度25キロは宇宙の入り口に当たる「成層圏」で、飛行機よりも高く、地球の青さを見ることができ、大空には星が広がる。
撮影の仕組みは、カメラとベタを付けて打ち上げた後、上空の気圧が低くなるにつれ、中の空気で風船が膨らむことを利用する。成層圏で破裂させ、特殊なパラシュートを付けて海に落として船で回収する。
宮古島は周囲を海で囲まれ、海流が穏やかなため、適地として選ばれた。
県外でもこれまで、90回以上成功している。
岩谷技研は、成層圏で地球を背景に映した映像の撮影や、商品が成層圏でも作動するかといったビジネスを展開しており、今後、300万円で約2時間の宇宙旅行ができることを目標とする。
岩谷技研の狩野英樹さんは「宇宙は遠い未来に一握りの人だけが行ける場所でなく、身近な場所にしたい」と展望した。