求人情報誌「アグレ」を発行する求人おきなわ(那覇市)は11日、2017年度にアグレに掲載された沖縄県内の求人広告を対象に、募集時の賃金を集計した調査結果を発表した。人手不足が顕著となる中、全職種の平均は月給ベースで前年度比3・1%増の17万3999円、時給ベースでは同3・2%増の873円と上昇した。
求人おきなわ営業部の屋比久和麻係長は「県内全体で人手不足となり採用が難しくなる中で、企業側の待遇改善の動きが強まり、賃金が上昇している」と分析した。18年度についても「人手不足は続くとみられ、大型商業施設オープンも控えているので給与の上昇傾向は続いていくと思われる」と話した。
平均月給の分布は、15万円以上16万円未満が16・7%と最も多かった。19万円以上の割合は27・7%と16年度の21・6%を上回り、全体的に給与水準は上昇した。サンプル数が10件以上ある職種で平均月給が最も上昇したのは「薬局・ドラッグストア販売」で16年度に比べ2万7333円増加した。
平均時給は800円以上900円未満が33・7%と最多を占めた。職種別では、16年度と比較検討できる103職種のうち、79・6%の82職種で平均時給が向上した。
調査は毎週発行されているアグレのうち17年4月~18年3月の間、毎月1冊を抽出し、記載されている募集時の賃金を職種や業種、雇用形態別に調べた。集計件数は合計2万163件で、16年度に比べ111件減少した。一部の業種はウェブのみの掲載となり、調査には反映されていない。
求人おきなわは、調査結果を「平均賃金データ2018」として冊子にまとめ、広告掲載企業や県内の高校、大学、専修学校など教育機関などに配布する。
問い合わせは同社(電話)098(862)2490。